渇き

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    こんにちは、tamaxです。

     

    今日は韓国映画『渇き』について書きます。

    あー血が吸いて。

     

    敬虔な神父であるサンヒョン(ソン・ガンホ)は、死にゆく

    人のために祈るだけの人生に疑問を感じ、体中に水泡ができ

    死に至る難病の生体実験に加わる。案の定奇病に侵されて

    死んじゃうんだけどなんやかんやあって吸血鬼として復活。

    手をかざすとどんな病気でも治せる奇跡の人として

    新たな活動をはじめたサンヒョンだが、時々血を飲まないと

    また水泡が出ちゃって非常に苦しい。

    植物状態の太ったおじさんからチューブで血をもらいつつ

    ヒーコラ生きていたら、昔の友達一家と再会しそのお宅で

    行われる定期麻雀会に参加することに。

    老舗のチマチョゴリ屋である友人宅は、野村のサッチーみたいな

    お母さんと、ちょっと頭の足りないダメ息子、そして身寄りがなく

    幼少のころにこの家に拾われて飼うように育てられ、そのまま

    ダメ息子の嫁にされたテジュがいた。

    美人なのに目の下にクマを作り、髪の毛もボサボサで幸薄さ

    全開のテジュに同情するうち、吸血鬼神父は禁断の恋に落ちてしまう。

    自分の境遇にずっと不満を抱いていたテジュもまた、サンヒョンに

    救いを求めついに二人は閉店後のチマチョゴリ屋で一線を越えてしまう。

     

     

    ソン・ガンホ(神父)は成り行きで吸血鬼になっちゃったわけ

    なんですが元々はすごく真面目で自分に厳しい聖職者です。

    もちろんチェリーボーイですから、女性との関りも絶ってきてまして

    ソッチ系の欲が湧いてきたら己のチン○コリンを棒でたたきのめして

    鎮めるという方法でやってきました。

    そんな強い精神力を持った彼でも、血への渇望と目の前に現れた

    自分と似た境遇の美しい、しかも不幸な状態にある女性の誘惑には

    勝てなかったわけです。

    テジュ役の女優さんは珍しく整形くささのないとてもきれいな方

    なんですが、そういう人があえて身なりを構わずやさぐれているのは

    かえって色気があるもんですよね。

    お互いにひかれあってしまった二人は、チマチョゴリ屋の什器の陰とか

    ガンホがドリンクバーにしている寝たきり患者のベッドの隣とかで

    密かにセッソンするわけで、ここまではちょいエロのラブストーリーかなと

    思うのですが、どんどん変な方向へ進んでいきます。

     

    というのも、吸血鬼になると空を飛べたり怪力になったりできるもんで

    ガンホが痴話げんかの際にうっかりテジュを一回殺してしまうんですが

    すかさず自分の血を輸血して生き返らせるんですね。

    吸血鬼の血を輸血されたらそりゃあ吸血鬼になりますよね。

    というわけでテジュも吸血鬼になります。

    ガンホは血を吸いながらもそんな自分を責めているんですが

    テジュの方は全く葛藤がないんで、楽しんで人も殺すし

    エロさも磨きがかかってどんどん輝きはじめるんですよ。

    なんだか悪いから輸血用の血とか自殺した人の血とか飲んでるガンホに

    対し「お前そんなもの飲んで美味いの?だからダメなんだよ」みたいな

    こと言って、超吸血鬼を楽しみ始めるんですね。

     

    動物的な快楽主義者と、理性的な聖職者の二人の対比がおもしろかったです。

    でもやっぱり血を飲まないと(誰かを犠牲にしないと)自分たちが

    生きていけないというのは二人とも同じであって、この世界に存在できない

    二人、身寄りのない二人は最後は破滅しかないのですが。

     

    吸血鬼の恋愛ものっていくつもあって、どれもメロドラマになりがち

    ですが、シュールだったり怖かったり笑えたりといろんな要素が

    加わって非常にヘンテコな作品に仕上がっていました。

    時々こういうわけのわからない勢いを持った作品が出てくるのが

    韓国だよなぁと思いました。

     

     

     

     

     


    ヒメアノ〜ル

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      こんにちは、tamaxです。

       

      今日は古谷実原作の映画『ヒメアノ〜ル』について

      書きます。

      ジャニーズ史上最恐です。

       

      あらすじ

      フリーターとして清掃のアルバイトをしている岡田(濱田岳)は

      日々夢も楽しみもない生活を送ることに虚しさを感じていた。

      同じく無為に生きていそうなキモい先輩(ムロツヨシ)に興味本位で

      近づいたことから、彼がネチっこく想いを寄せているカフェの

      店員のユカと知り合いになる。

      そこで都合よくユカに一目ぼれをされた岡田は、先輩に隠してこっそりと

      付き合うことになり、はじめての人生の春にキャッキャウフフ。

      純情そうに見えて実はなかなかのタマだったユカちゃんに

      リードされながら甘い日々を送っていたのもつかの間、

      実はもう一人のユカのストーカー、森田(森田剛)が凶悪犯罪を

      重ねながら、二人に近づいていたのだった。

       

      この作品、映画化したのは『さんかく』の吉田恵輔監督です。

      私はこの『さんかく』という作品がとっても面白くてね。

      こちらに感想を書いています。

      その吉田監督ですからさぞかしやらかしてくれるだろうと

      思ったら期待通りでした。

      『さんかく』のときもそうでしたが、前半はぬるくてネチャネチャした

      BOYS BEみたいなラブコメで、観ていてかゆくなるような感じ

      なんですが後半で一気に加速し、前半はなんやったんやという

      ものすごい変貌を遂げます。

      高校時代に凄惨なイジメを受けてサイコキラーになってしまった

      森田こと森田剛が動き始めるんですね。

       

      森田は実は最初から登場していて、ユカが働くカフェに

      一日中いる変な奴として、ムロ先輩が怪しんでいます。

      ストーカーかどうか確認してこいと言われた岡田はそこで

      高校の同級生だということに気がつきます。

      「森田くんじゃない?なにしてんの?」と声をかけると

      向こうも「あ、岡田君」となって、岡田はムロ先輩の

      使命もあって二人で飲みにいくことに。

      このときはまだ、ちょっと変なやつだなくらいなんですが

      都合が悪くなるとさらっとウソついたりするところに

      森田のヤバさが見え隠れしています。

       

      森田の受けていたイジメというのが、犬のウンコを食べさせられたり

      教室の真ん中で自慰を強要されたりする昔ながらの悪質なもので、

      森田はイジメグループのリーダーを高校時代に殺して埋めています。

      卒業後は、いじめっ子殺害に加担させられた同じくいじめられていた

      和草という同級生を脅迫して生活費にしていました。

      和草とその彼女が森田に反撃したことから殺しの連鎖がはじまります。

      開けたら最後、ユーキャントストップ。

      行き当たりばったりのOL、カレーのにおいが美味しそうだったから

      侵入した家の家族、そこに訪れた警官、その他諸々。

      私も若い頃、2回「いあき」(家にいるときに部屋に誰かが入ってきたこと)を

      された経験があるので、もう今生きてるのが奇跡なくらいめちゃめちゃ怖いです。

       

       

      さらにこの映画のバイオレンス描写が怖くてしょうがなかったのは、殺す側も

      殺される側もかっこよくないんですよね。

      よくあるシリアルキラーものって犯人が芸術みたいにパンパン殺したり

      殺される方も一息にぱっと死んじゃったりしますけど、森田の場合は

      ディスカバリーチャンネルとかで見るサバンナの動物の捕食に

      似ていました。殺す方も息が切れたり必死だったりがむしゃらに殺す。

      殺される方も苦しんで、あがいて、なかなか死ねない。

      森田剛演じる森田というのはすごく貧相な男なのです。

      ヒョロヒョロだし汚い金髪で浅黒い肌、底辺を生きてきた感じ。

      私はジャニーズの中でも森田剛の持つ貧相さ、薄汚さが不思議だったのですが

      この映画の森田くんは本当に良かったです。

       

       

      そんなこんなで凶悪犯罪を「雑に」重ねながら、森田はユカ&岡田に接近してきます。

      その前に立ちはだかったのが、前半の方で出てきたムロツヨシ。

      ムロ先輩は命こそ助かりますが、大変な怪我を負ってしまいます。

      そこでようやく、ユカとチュパチュパパラダイスしていた岡田があることを思い出すのです。

      森田のいじめに、自分も関わってしまっていたという事実。

      実は高校に入ったばかりのころは、はじめてできた友達として仲が良かった森田と岡田。

      森田がいじめのターゲットにされてからは距離を置いて傍観していたばかりか

      自分がいじめられたくないばかりに、売るような真似もしていたことに。

      ムロ先輩の入院する病院を訪ねたあとに、涙ながらにそのことを話し始めた岡田。

      直接的ではないにせよ、自分も森田というモンスターを作り上げてしまっていたということ。

      そのことをすっかり忘れ、その後の人生を何も考えずに過ごしていたこと。

      そして今も、「変な奴だから」とムロ先輩を裏切っていた、自分の「そういうところ」。

       

       

      クライマックス、森田がついに岡田&ユカのところにたどり着き(そのたどり着き方も

      非常にリアルでぞくっとさせられました)、息も付かせぬままラストへと突き進みます。

      これまで散々エグいバイオレンスを見せられてきて、最後の対峙シーンにはもう

      精神力も限界まで来ていたのですが、そのすべてを洗い流すような「オチ」が待っていました。

      これにはもう、やられましたね。ちょっとした拷問です。

      そのオチは今までからは想像できないほど美しくて、だからこそとてもとても哀しいものでした。

      主演の森田剛くんも、この最後のためにジャニーズ史上最低の汚れ役を引き受けたんだそうです。

      映画はいろいろな意味で観る側を楽しませるエンターテインメントであったり、あるいは

      それとは正反対に重いテーマがあったりしますが、エンターテインメントと重いテーマが

      見事に融合していました。

      『さんかく』のダラダラした感じも好きでしたけど、吉田監督の芸がここに極まった感じ。

      そして何より、ジャニーズなのに、手コ○自慰やレイプ、頭の悪い言動などかっこ悪く演じきった

      森田剛に感服というよりほかなりません。

      演技派と言われているニノや岡田准一なんて甘い甘い。

      私は今日から一番好きなジャニタレは森田剛kunになりました。

       

       

       


      イミテーション・ゲーム

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        こんにちは、tamaxです。

         

        今日は数学者チューリング博士の実話に基づく映画

        『イミテーション・ゲーム』について書きます。

         

        天才はつらいよ。

         

        あらすじ

        第二次世界大戦中、ドイツは超難関の暗号、エニグマを

        使って敵国の物資を運ぶ船を撃沈するという外道ぶり。

        国民が飢えて困ってしまった英国は、最高の頭脳を持つ

        男たちをあつめて暗号解読をさせることにした。

        その中に加わったのが天才数学者アラン・チューリング。

        彼はのちにコンピューターの基礎を発見するくらいの

        ヤバいレベルの数学者なのだが、かなり性格に難ありで

        人の気持ちと空気は全然わかりません。

        一応チームワークで進めていかなきゃいけないプロジェクトに

        全く新しいかつ理解不能なアプローチを単独でしようと

        するものだからみんなから総スカン。

        莫大な費用をかけてよくわからんマシンを作り、さらに

        「クリストファー」などと名前を付けてガチャコンガチャコン

        動かしているだけの日々。

        チューリングのよき理解者となる頭のいい女性、キーラ・ナイトレイと

        婚約するんですが、実はチューリングにはある秘密があり…。

         

         

        私はセンター試験の数学A気30点台を取るほどの頭脳を持った

        人間ですけどね、数学者をテーマにしたものは結構すきなんです。

        NHKのポアンカレ予想やリーマン予想の特番も録画して何度も

        観ました。

        チューリング博士も暗号解読に成功したことは知っていましたが

        こんなものすごい苦労があったとははじめて知りました。

        エニグマの解読自体、鬼のように難しい、というか仕組みはシンプル

        なのですが、毎日暗号の「ルール」が0時にリセットされてしまうのです。

        だからすんごい速さで計算できればなんとか解けるかもしれないのです。

        それがチューリングマシーン=クリストファーの開発につながります。

         

        解読が大変なのに、チューリングにはもう一つ困ったことがありました。

        彼は数式はよくわかるのに、「人の気持ちが理解できない」んですね。

        たとえばチームメイトが「そろそろランチにいくよ」と言えば

        普通は自分も誘われてるのかなって思うんですが、チューリングは

        「あ、そうなんだ」で終わってしまうんですね。

        だからみんな「そういうとこだよ!」ってなってしまって余計形勢が

        悪くなってしまうんですね。

        まあだんだんみんなチューリングの頭脳と人柄に理解を示して

        味方してくれるようになるのですが。

        メンバーの中にはチャラいチェスチャンピオンとして顔が甘すぎて

        悪い役をやりがちなマシュー・グッドがいたもんで、絶対あとで

        いやがらせされる!と思いましたけど、意外と彼はいい人でした。

         

        さらに彼の一番の理解者となり相棒となる女性、ジョーン(キーラ・ナイトレイ)が

        現れてからはうまく橋渡しをしてくれて、チームが円滑に回るように

        なっていきます。

        毎日0時を回ると今日の作業はすべてパァになるもんで、みんなでそのあと

        パブ行ってやけ酒したりするんですが(昔からイギリス人てパブ行くんですね)

        そんな付き合いにも顔出したりするようになります。

        これが実は功を奏しまして、パブでマシュー・グッドがナンパしようとした

        丸の内OLみたいな女がいまして、その人の何気ない「OLっぽい恋バナ」を

        聞いたことで暗号解読の最後のKEYをチューリングはひらめくのです。

        これってすごく大事なことで、数学の難題のひとつであるポアンカレ予想に

        挑んでいるペレルマン博士はほとんど人と交わらずに研究室に

        こもって研究していたんですが、ある日珍しく大学のティールームに

        顔を出してたまたま分野外の物理の専攻の人と会話したことで、

        解読にぐっと近づいたんだそうです。

         

        どんなにそればっかり一人で考えていても、

        まったく世界の違う些細なことがふっと入ってきたときに

        解決の糸口が見つかるということがよくあります。

        ただそれはそこまでたどり着くまでに考えて考えて考え抜いたからこそ

        なのですが。

         

        そんなこんなんでついにエニグマの解読に成功し、喜んだのもつかの間。

        今度は別のジレンマがやってきます。

        敵の攻撃を見通して回避すれば、暗号が解けたことがバレて今までの

        努力が水の泡になってしまいます。そこでチームは時々は間違えて

        時々は当てる、つまり生かす人と殺す人を選択するという恐ろしい

        役割を担ってしまうわけです。

        これが、イギリスがつい最近まで隠していたという「不都合な真実」です。

        このことを隠すために、チューリングは戦争終了に大いに貢献したにも

        関わらずろくすっぽ評価されずさみしいその後を送ることになります。

        チューリング自身の抱える「ある問題」のせいで、せっかくよき

        パートナーだったジョーンとも別れてしまいます。

         

        のちに、自分が作ったマシーン「クリストファー」だけを頼りに

        一人暮らしているチューリングのもとをジョーンが訪ねた時

        もうだいぶ精神やられている状態のチューリングが

        「一人にしないで!僕を一人にしないで!」と取り乱すシーンがあります。

        これはぐっときましたね。よくこの手の浮世離れした人や、精神に障害の

        ある人は「一人でも平気なんだろう。さみしさを感じないだろう」と思っていませんか?

        でもそういう人こそ、見せかけの「さみしくなさ」にだまされない分、

        本質的な孤独を最も恐れているのかもしれないなと思いましたね。

         

        普通はいい映画を観たあとは他の人感想や評価を知りたくなるもんですが

        この映画の場合はチューリング博士本人について調べたくなりましたね。

        とにかくドキドキハラハラして目が離せないし、ドラマもあって

        数学のセンター試験が30点台の人間でも感動できる映画でしたよ。

         

         

         

         

         

         

         


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