インサイドヘッド

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    こんにちは、tamaxです。

     

     

    今日はピクサーの『インサイドヘッド』について書きます。

    はっきり言って最高でした。

     

     

    あらすじ

    11歳の少女ライリーの頭の中が舞台。

    明るく元気いっぱいのヨロコビ、愚鈍でネガティブなカナシミ、

    いつも怖がっているビビリ、気分の悪そうなムカムカ、

    すぐぶち切れるイカリの5名の「感情」たちがコントロールパネルで

    ライリーの感情を操り、日々積み重なる記憶のボールを

    作っていた。

    数分ごとに形成される思い出のボールは脳の奥深くへ送られ

    要るものと要らないものに仕分けされる。

    しかし中には「特別な思い出」に昇格する数少ないボールがあり

    その特別な思い出が「性格の島」を作り出し、その人の

    人格を形成しているのだ。

    ヨロコビが主導権を握るライリーの頭の中は楽しい思い出が

    いっぱい。友達や家族と幸せで順風満帆な日々を送っていた。

    ミネソタからサンフランシスコに引っ越すことになるまでは・・・

     

     

    頭の中にいる感情たちはライリーだけではなく、みんなの中にあるのですが

    まだ幼いライリーの感情はお互いを理解しているわけではありません。

    基本的にはリーダーであるヨロコビがウェイウェイ仕切っているのですが

    ここぞというときにそれぞれ感情がしゃしゃってきてライリーの心を

    動かしています。

    ミネソタの自然豊かでのんびりした田舎から、足立区とか板橋みたいな

    サンフランシスコに引っ越してきてしまったライリーは戸惑いを

    隠せないのですが、ヨロコビは「ここが私のがんばりどころ!」とばかりに

    さらにテンションを上げてライリーを笑顔でいさせようとします。

    特に注意したいのはチームの一番の「重荷」であるカナシミ。

    メガネをかけてぽっちゃりした鈍くさい風貌のカナシミが出てくると

    何もかも悲観的でネガティブになってしまいます。

    ヨロコビはなんとかカナシミを封じ込めておこうとするのですが、

    その意に反して「あら・・・やだ・・・わたしどうしちゃったのかしら」

    などとオドオドしながらコントロールパネルに手を出し、さらには

    特別な思い出まで触ろうとするカナシミ。

    揉めているうちに特別な思い出とともにヨロコビとカナシミが吹き飛ばされて

    しまいました。

    それによりライリーの性格である「おふざけの島」「友情の島」「家族の島」

    などが次々と動きを止め崩れていくのです。

    ライリー人格崩壊の危機。

    現実世界のライリーは感情を失い、両親にだまって家出をすることまで

    考えます。

     

     

    これまでの膨大な量の記憶が保管されている脳内をさまよいながら再び

    みんなのいる司令部に戻ろうとするヨロコビとカナシミ。

    その脳内の描き方がおもしろいです。記憶の玉は一時保管されるのですが

    次第に色あせてきて色が黒ずんでしまいます。それを掃除機みたいので

    吸って谷底の「記憶のゴミ捨て場」に仕分け作業をしている細胞みたいのが

    います。

    記憶のゴミ捨て場に一度落ちてしまうとけして元には戻れず、風化してしまいます。

    そのほかにも、夢の撮影スタジオでは毎晩観る夢が撮影され、想像力のテーマパーク

    イマジネーションランドではライリーの空想の世界が広がっています。

    道に迷ってしまったヨロコビとカナシミは、ある人物と出会い一緒に司令部を

    目指すことになります。

    象のような綿菓子のようなイルカのような不思議なソイツはビンボン。

    ライリーの子供の頃の大親友、イマジナリーフレンドでした。

     

    幼児の頃から自室で一人で寝させられる欧米の子供は、みんななんかしらの

    イマジナリーフレンドを作るそうですね。

    しかしライリーももう11才ですから、ビンボンを思い出す機会はめっきり

    減っていました。

    大きな子供のようなビンボンに連れられてあぶなっかしくも一緒に

    司令部を目指すのですが、途中ビンボンとヨロコビが記憶の谷底に

    落ちてしまうのです。

    こっからがアニメ史に残る名シーン!ヨロコビとビンボンはなんとか

    這い上がろうとするのですがそれは不可能に近いこと。

    しかしビンボンが自ら犠牲になることでその不可能を可能にするのです。

    私は最初に観たとき、目玉が取れるかと思うくらい泣きましたね。

    ほんとにとんでもないシーンだと思いますよ。

    ビンボンは再びライリーに思い出してもらい、一緒に遊ぶことを夢見て

    いました。ところがライリーの空想の国からは子供っぽい夢はどんどん

    取り壊され、「理想のボーイフレンド製造機」なんかが新設されている

    んですね。

    人はいつまでも子供っぽい空想ばかりしてられませんから、ビンボンが

    淘汰されるのは仕方のないことです。

    ただ泣けるのはそこだけじゃないんです。

    人生で越えてはいけない一線を越える(ライリーの場合は家出)のを

    本人すら忘れてしまっている幼稚さや無邪気さが、必死で食い止めようと

    しているってことです。

    一線を越える、最近よく耳にしますが誰かを傷つけたり、自分で命を

    絶ってしまったり、それを思いとどまるようにがんばってくれるのは

    その人の記憶のゴミ捨て場の子供っぽさなんじゃないか。

    それをビンボンが象徴してるんですね。

     

     

    ビンボンのおかげで再びカナシミを連れて司令部に戻ることが

    できたヨロコビ。このとき実はヨロコビは、今までお荷物扱い

    していたカナシミが、実はライリーに必要だったことに

    気づいています。

    ライリーの幸せな記憶の裏には悲しみがあり、悲しみがあるから

    ひとの痛みがわかり、より幸せになろうとするんだということ。

    引っ越したときに必要だったのは、無理して元気に振る舞うのではなく

    きちんと悲しむことだったのです。

    それに気づいたおかげでライリーは今まで抑えていた感情を

    溢れさせ、家族との絆が深まり新たな一歩を進めることができるように

    なったのでした。

     

    ちょっと大げさな言い方にはなりますが、この『インサイドヘッド』という

    作品は一度観たら生き方考え方が変わるくらいのすごい作品だと思います。

    自分ひとりの自分じゃないんだなっていうか。

    切り傷は治ろうとするし、心の傷も少しずつ癒えていきますよね。

    私の中ですべての細胞や神経が「私を幸せにしようとしてくれている」って

    ことですよね。

    わたし、ありがとう。わたし、がんばる。って思えますよ。

    最高なんで、ほんと観てください。

    そして目玉を洗いましょう。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     


    机のなかみ

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      こんにちは、tamaxです。

       

      今日は『さんかく』や『ヒメアノ〜ル』で全私を感動させた

      吉田恵輔監督の初期作品『机のなかみ』について書きます。

       

      青春の残酷

       

       

      成績のいまいち振るわない父子家庭の女子高生の家庭教師を

      することになった馬場(あべこうじ)。

      一目で女子高生の虜になった馬場は、勉強などそっちのけで

      あの手この手で気を引こうとする。

      どこかぽわんとした女子高生はそれを知ってか知らずか

      すごいスルースキルでかわしていく。

      めきめきと成績をあげ、馬場にも心を開いたかに見える女子高生に

      同棲している彼女に飽き飽きしていた馬場は有頂天に。

      しかし女子高生にはある思惑があり・・・

       

      いつものことながら、前半と後半で見方がガラリと変わる構成になっています。

      言葉の通り、前半では家庭教師の馬場目線、後半は女子高生目線になるのです。

      馬場パートはあべこうじのネタを見ているようでなかなか不快です。

      家庭教師なんてしているけど軽薄な男で、女子高生がギターが弾ける人が

      好きだといえばさっそくほかの教え子から無理やりレンタルして練習を

      はじめるような単純極まりない性格。

      馬場が同棲している彼女というのが、ゆらゆら帝国か水木しげるの漫画に

      出てきそうな風貌の、むちゃくちゃ粗暴な女です。

      「どっか連れてけよ〜オラ〜」とかトイレのドアを開けはなして

      「紙取ってっつってんだろ〜」とかいうような鬼彼女。

      これは女子高生に心が動いても仕方ないかも…という気にはなります。

       

      女子高生はストイックに勉強して望みの高い志望校に手が届きそうな

      ところまでやってくるのですが、なんと残念なことに落ちてしまいます。

      失意のどん底でよくわかんないことになっている女子高生のもとに

      訪れた馬場がどさくさにまぎれてパンツを脱がしたところに、帰ってきた

      お父さんが入ってくるという地獄絵図で前半パートは終了です。

       

      後半は女子高生の目線で馬場が家庭教師としてやってくるところから

      ふたたび始まります。

      当然のことながら女子高生は馬場になど興味はなく、親友の彼氏に

      横恋慕していて、二人と同じ大学に行きたくてがんばっていたのです。

      それもその好きな人というのは奇しくも馬場のもう一人の教え子の

      イケメンでした。

      その彼女である一応親友の女子っていうのが、ギャルでもなく

      取り立てて可愛いわけでもなく、気の強さだけで幅をきかせている

      学校の中でのみいい目を見られるやつで、こいつがほんとに

      性格悪くて腹立ちましたね。

      親友面をしつつ、友達が自分の彼氏のことが好きなのをわかって

      マウンティングしてくるんですね〜。

      「いや〜もうアイツとは別れるわ。最近うまくいってないんだよね。

      あ、あんたにあげようか?」

      と言ったかと思えば

      「そんなこと言ったっけ」などと一喜一憂させるのです。

      男も男で、女子高生にも気を持たせてくるし最後まで自分は

      悪者にならずにはっきりしない最低男です。

       

      最終的にはあのゲスな馬場よりこの男の方がよっぽどダメな

      奴ってことがわかります。

      というのも、馬場は女子高生にフラれたとはいえ凶暴なブス彼女と

      寄りを戻すのです。

      馬場が彼女と寄りを戻すことが、単に浮気に失敗したから

      仕方なくもとにもどったってだけではないところがいいのです。

      ブス彼女は可愛げは皆無ですが、おいしいカレーを作ってくれたり

      家のことをやってくれたり、意外と尽くす女です。

      実はほんとに大事なのは、ブス彼女は馬場の可能性を絶対否定しないんですね。

      たぶん心底好きなんだと思います。

      馬場がへったくそなギターを練習しているときも、ゆらゆら帝国みたいな顔で

      「すげーじゃん、なんかできそーじゃん。もっとやれよ」って言ってくれたり

      バッティングセンターでバットを振っていると

      「おまえかっけーじゃん」とかほめてくれる。

      世間一般的には小物中の小物である馬場のことを、一番評価してくれているのが

      実はゴリラみたいなこの彼女だけなんです。

      馬場がそのことに気づいたであろうところがこの映画のハイライトですね。

       

      一方、物語的には「主役」である高校生3人はどいつもダメです。

      親友は性格悪いし、男はズルいし、女子高生はバカです。

       

      自主制作のような荒い感じもありますが、とにかくおもしろく最後まで

      観てしまいました。

       

       

       

       

       


      渇き

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        こんにちは、tamaxです。

         

        今日は韓国映画『渇き』について書きます。

        あー血が吸いて。

         

        敬虔な神父であるサンヒョン(ソン・ガンホ)は、死にゆく

        人のために祈るだけの人生に疑問を感じ、体中に水泡ができ

        死に至る難病の生体実験に加わる。案の定奇病に侵されて

        死んじゃうんだけどなんやかんやあって吸血鬼として復活。

        手をかざすとどんな病気でも治せる奇跡の人として

        新たな活動をはじめたサンヒョンだが、時々血を飲まないと

        また水泡が出ちゃって非常に苦しい。

        植物状態の太ったおじさんからチューブで血をもらいつつ

        ヒーコラ生きていたら、昔の友達一家と再会しそのお宅で

        行われる定期麻雀会に参加することに。

        老舗のチマチョゴリ屋である友人宅は、野村のサッチーみたいな

        お母さんと、ちょっと頭の足りないダメ息子、そして身寄りがなく

        幼少のころにこの家に拾われて飼うように育てられ、そのまま

        ダメ息子の嫁にされたテジュがいた。

        美人なのに目の下にクマを作り、髪の毛もボサボサで幸薄さ

        全開のテジュに同情するうち、吸血鬼神父は禁断の恋に落ちてしまう。

        自分の境遇にずっと不満を抱いていたテジュもまた、サンヒョンに

        救いを求めついに二人は閉店後のチマチョゴリ屋で一線を越えてしまう。

         

         

        ソン・ガンホ(神父)は成り行きで吸血鬼になっちゃったわけ

        なんですが元々はすごく真面目で自分に厳しい聖職者です。

        もちろんチェリーボーイですから、女性との関りも絶ってきてまして

        ソッチ系の欲が湧いてきたら己のチン○コリンを棒でたたきのめして

        鎮めるという方法でやってきました。

        そんな強い精神力を持った彼でも、血への渇望と目の前に現れた

        自分と似た境遇の美しい、しかも不幸な状態にある女性の誘惑には

        勝てなかったわけです。

        テジュ役の女優さんは珍しく整形くささのないとてもきれいな方

        なんですが、そういう人があえて身なりを構わずやさぐれているのは

        かえって色気があるもんですよね。

        お互いにひかれあってしまった二人は、チマチョゴリ屋の什器の陰とか

        ガンホがドリンクバーにしている寝たきり患者のベッドの隣とかで

        密かにセッソンするわけで、ここまではちょいエロのラブストーリーかなと

        思うのですが、どんどん変な方向へ進んでいきます。

         

        というのも、吸血鬼になると空を飛べたり怪力になったりできるもんで

        ガンホが痴話げんかの際にうっかりテジュを一回殺してしまうんですが

        すかさず自分の血を輸血して生き返らせるんですね。

        吸血鬼の血を輸血されたらそりゃあ吸血鬼になりますよね。

        というわけでテジュも吸血鬼になります。

        ガンホは血を吸いながらもそんな自分を責めているんですが

        テジュの方は全く葛藤がないんで、楽しんで人も殺すし

        エロさも磨きがかかってどんどん輝きはじめるんですよ。

        なんだか悪いから輸血用の血とか自殺した人の血とか飲んでるガンホに

        対し「お前そんなもの飲んで美味いの?だからダメなんだよ」みたいな

        こと言って、超吸血鬼を楽しみ始めるんですね。

         

        動物的な快楽主義者と、理性的な聖職者の二人の対比がおもしろかったです。

        でもやっぱり血を飲まないと(誰かを犠牲にしないと)自分たちが

        生きていけないというのは二人とも同じであって、この世界に存在できない

        二人、身寄りのない二人は最後は破滅しかないのですが。

         

        吸血鬼の恋愛ものっていくつもあって、どれもメロドラマになりがち

        ですが、シュールだったり怖かったり笑えたりといろんな要素が

        加わって非常にヘンテコな作品に仕上がっていました。

        時々こういうわけのわからない勢いを持った作品が出てくるのが

        韓国だよなぁと思いました。

         

         

         

         

         


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