ブラックスワン

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    こんにちは、tamaxです。

     

    今回はバレエ業界に対するネガティブキャンペーンとしか

    思えない営業妨害映画『ブラックスワン』について書きます。

    サカムケア

     

    あらすじ

    バレエ団でプリマドンナを目指すニナ(ナタリーポートマン)は

    実力と才能はあるがあと一歩脱皮できないところがあり

    苦しんでいた。それもそのはず、過保護な元バレエダンサーの

    母と暮らし、いつまでも大人になれずに甘々のままアラサーに

    なってしまったからである。

    プリマとすぐ肉体関係になるものの、有能な監督のトマスは

    それでも今度の『白鳥の湖』の演目でニナを主役に抜擢する。

    清楚で純粋な白鳥役はなんなくこなせるニナだったが、問題は

    エロくて悪い黒鳥役も演じ分けなくてはいけないこと。

    演技に悩む中、黒鳥役にぴったりの奔放なダンサー、リリーが

    代役に決まったり、母親との関係も悪化したりでどんどん

    精神がヤバい方向へ向かっていくのであった。

     

     

    ずっと優等生、いいコちゃんで育ってきたニナは美人なのですが

    恋愛経験も少なく、いつも困った顔をしています。

    ニナを妊娠したことでバレエの夢を絶った母親が、もろに

    自分の人生をニナに全部乗せしてくるわけです。

    ニナの母は結構やばくて、自室にニナの肖像画みたいな絵を

    壁中に飾っているんですね。

    イケアの女の子の子供部屋みたいなブリブリのニナの部屋には

    鍵もかからず、うかつに自慰もできません。

    こんなニナに黒鳥が演じられるか心配でしょうがない監督の

    トーマスは「宿題だ、今夜一人でしてみろ」などと言って

    ニナの官能を呼び覚まそうとします。

    真面目なニナはよーしがんばる!と本当にとりかかるんですが

    母親が気になってどうにもダメです。

    そんなときに現れたのが、ビッチを絵に描いたようなリリー。

    こいつはクスリはやるわチーズバーガーは食べるわ男遊びは

    するわでとんでもないプリマなんですがそんなに悪い奴

    でもありません。

    このリリーは黒鳥役はドはまりするんですが、そうでないときは

    普通に白いメイクをした白鳥役をやっていて、そっちは全然

    似合わないんですよ。

    そんなに悩まなくても適材適所で白鳥役はニナ、黒鳥役はリリーが

    やればそれでまるっと解決するんじゃないかと思うんですが

    ダメですかね。

     

    リリーの存在を恐れながらも惹かれてしまうニナは、ある晩

    家を抜け出してリリーと二人で出かけてしまいます。

    クラブで酒飲んでヒャッハー!というこれまた典型的な

    夜遊びで、タガが外れたニナはその日を境に徐々に開花していきます。

    それと同時に頭の調子も悪くなりはじめ、幻覚を見はじめるのです。

    ニナが病んでいく表現として、CGを使った「イタイ」シーンがたくさん

    出てきます。爪が剥がれたりとかさかむけを引っ張ったら指の

    第二関節あたりまでピリーっと剝けたりとか。

    この描写が、ホラーだ!追い詰められた精神を表している!と

    言われていますが、私はイタさと怖さでいえばサカムケアと

    ヒビケアのCMの方がよくできていると思います。

    これくらいの痛み、主婦ならみんな経験していますよね。

    主婦、別に自傷でやってるわけじゃないですからね。

    ※グロいのでモザイクをかけてみました。

    ひび割れた手できゅうりを塩もみしたり、キムチをもんだり…

    ブラックスワンどころじゃないですよ。

     

     

    病み方もちょっとまだ甘い感じがするニナでした。

    あと地味に怖かったのは女性たちではなく監督のトーマス。

    この男はニナの前にいたプリマドンナにも手を付けているのですが

    それはあくまで「商品を試すため」なんですよね。

    以前、5時に夢中!で岩井志麻子さんが話していたデリバリーヘルスの

    店長の話を思い出しました。

    デリバリーヘルスに来るくらいだから頭がヤバい子とか容姿も

    アレな子とかいっぱいいるらしいんですけど、その店長はまずは

    全員と関係を持つのだそうです。

    そこには愛情も欲望もなく、ただ「商品を検品し、扱いやすくするため」

    なんだそうです。

    やっかみでイジワルしたり、男に捨てられて逆上したりする女たちの

    方がよっぽど人間味があるように感じましたね。

     

     

     

     

     


    野のなななのか

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      こんにちは、tamaxです。

       

      今日は大林信彦監督作品『野のなななのか』について書きます。

      大いなる老害

       

      あらすじ

      北海道芦別市で雑多な古道具屋を営む元医者の老人

      鈴木光男(品川徹)は、絵を描きながら亡くなっているのを

      孫のカンナに発見される。

      その知らせを受け、方々から親戚一同が集まってきた。

      光男の死を悼むというよりは、どこかみな身勝手で気も

      そぞろな親族たち。

      しかしその中に一人、清水信子(常盤貴子)という美しい

      女性が現れたことで光男の過去、とりわけ戦時中の出来事が

      紐とかれていく。

      一体清水信子とは光男のなんだったのか。

       

       

      『この空の花』を劇場で鑑賞し、新しいアトラクションかと

      思うような映画体験に感動し、姉妹版であるこちらも

      気になっていました。

      が、ヤバさでいうとこっちの方が上かもしれません。

      『この空の花』は変でありながらもエンターテイメントとして

      一つ完成していましたが、こちらはそうとも言えないのです。

      品川徹は最初から死んでいます。

      冒頭、集まってきた親族がそれぞれ他人のセリフに食い気味に

      自分の言いたいことばかりガヤガヤ言い合うやかましい

      シーンが長回しで続きます。

      びっくりするほど苦痛です。そして現実にはこんな奴らいるわけが

      ないのですが、あの、親戚が集まった時のどうにも座りの悪い

      落ち着かない感じが非常によく出ています。

       

      一応の「物語」は、ふわふわした現実味のない品川徹の

      孫なんだかひ孫なんだかわかんない二人の若い女の子によって

      進んでいきます。

      品川徹は医者時代に雇っていた看護士の女性、常盤貴子と

      なんかしらの因縁があったようなのです。

      それがなんなのか次第に明らかになっていくのかな〜と

      思いきや、死んだはずの品川徹がこちらに向かって

      「それでは説明しましょう」と自分語りをはじめてくれます。

      もったいぶっていたわりにはいきなり謎が解けます。

      とにかくこの映画全体通して、あらゆるセオリーといったものは

      完全無視なんです。

      よく映画でもなんでも「先が読めちゃってだめだった」と言われますが

      先が読めなさすぎるのもメンタル揺さぶられるなぁと思いました。

       

       

      大林監督が昨今特に力を入れている震災と再生や、人間の生死観が

      ふんだんに盛り込まれているのですが、他がおかしすぎてそっちが

      全然頭に入ってこない不思議。

      でも観終わった後になんかやっぱり感動した、印象に残った、そういう

      映画を撮るのが天才・大林宜彦なのです。

      とくに私事ですが、昨年画家でありデザイナーだった祖父が89歳で

      亡くなったこともあり、リンクするところが多かったです。

      たとえば光男は医者を引退したあと、自宅の医院でガラクタみたいな

      日用品を所狭しと並べた雑貨屋をはじめます。

      光男の死後、そういった物をどうしようかという話になったとき

      「でもこういう物たちが震災で失われた私たちのすべてなんだもの」

      というようなセリフがあります。

      私も祖父のアトリエに遺品整理で入ると、お酒や香水の小さい

      小瓶だとか、何かのおまけでもらったようなおもちゃや土産品を

      キレイに並べて飾ってありました。

      驚いたことに天井からさがっていたモビールは、よく売っている靴下を

      吊るすためのフックを糸でつないだものでした。

      ひとつひとつは、手に取ればあっという間にゴミになってしまう

      そんなガラクタこそが、人生そのものなんだよなぁと思わざるを得ません。

       

      そして光男と、生まれ変わっても深い絆で結ばれていた清水信子という

      女性。

      祖父の葬儀のときに、泣きはらした目でお焼香に時間をかけている

      40代くらいの綺麗な女性が来ていました。

      祖父が教えていた絵の生徒さんかもしれませんし、そうではないかも

      しれません。

      そんなようなことも光男と信子の関係を見ていて思いました。

       

      とにかくめまいがするほど変な映画なので、おすすめはあまりできませんが

      やっぱり私は大林監督、すきっ!

       

       

       

       

       


      メモリーキーパーの娘

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        こんにちは、tamaxです。

         

        今日は『メモリーキーパーの娘』について書きます。

         

        あらすじ

        医師のデヴィッドは産気づいた美人妻ノラから自分の病院で

        自らの手で男女の双子をとりあげる。

        ところがそのうちの女の子はダウン症児だったため、デヴィッドは

        ノラに死産だったとウソをつき、その場にいた看護婦のギルに

        女の子を施設に置いてくるよう指示をする。

        とまどいながら赤ん坊を施設に連れていくギルだったが、その

        施設の惨状に思わず連れて帰ってしまう。

        途方に暮れていたギルを、通りすがりのトラック運ちゃんが助けてくれる。

        その後、デヴィッド夫妻は女の子(フィービー)の葬式をあげ、

        健康な兄ポールと家族三人で暮らす。

        一方ギルはトラック運ちゃんと一緒になり、ダウン症のフィービーを

        育てることにした。

        そのことを知っているデヴィッドは罪悪感と後ろめたさから

        なぜかカメラの趣味に没頭し、家族に対してもどこかよそよそしくなってしまう。

        あんなにお姫様扱いしてくれたダンナが産後急に冷たくなり、

        二人目も作ってくれないことに絶望したノラは自棄のヤンパチになって山ほど不倫をする。

        母親の山ほど不倫を知った息子のポールもやさぐれて家を出ていく。

        やがて一家はバラバラになり、デヴィッドは秘密を抱えたままだったが

        ギルとトラック運転手に愛情たっぷりに育てられたフィービーは

        障害を抱えながらも賢く愛くるしい少女へと成長していた。

         

         

        あらすじだけ見るとデヴィッド人でなしすぎるだろって感じかも

        しれませんが、一応デヴィッドにも言い分がありまして

        実は自分にもダウン症の妹がおり、幼くして死んでしまっていたのです。

        そのことによる両親の悲しみ、ないがしろにされた自分の孤独が

        痛いほどわかるため苦渋の選択をしたのでした。

        ちやほやされて生きてきた妻のノラは、夫の変わりように失望し、

        働きに出たり浮気をしたりして寂しさを紛らわそうとします。

        ノラは別に悪くもなんともないんだけど、アマちゃんなので

        確かにこの人に障害児を育てられただろうかという気がします。

        対照的なのは真面目で地味な看護士のギルです。

        彼女はなかなかの年齢まで独身で恋人もいなかったのですが、

        デヴィッドとノラの娘を引き取ったことで人生が大きく転換します。

        ギルとトラック運転手は娘を可愛がり、つつましくも幸せな家庭を築きます。

         

        要は一見貧乏くじを引かされたようなギルの方が実は幸せで、

        デヴィッドの家庭の方はどんどん崩壊していくというありがちな筋書です。

        それだけだとつまんないなーと思ったんですが、もうひとひねりあったため

        物語に深みが生まれました。

        というのは、実はギルはデヴィッドのことが好きだったらしいんですね。

        なので子供を引き取っただけでなく、デヴィッドたちが執り行った葬式に

        真っ赤なコートを着て行ったり、デヴィッドに娘の写真と手紙を定期的に

        送りつけたりと歪んだ行動もとっていました。

        障害があるとはいえ、好きな男の子供を育てることでつながりを持ち続け

        ようとしたのかもしれません。

        そう考えると、ただただトラック運転手が天使!!

         

        実は映画を観るまで、記憶を留めておける特殊能力を持った女の子の

        話かと思っていましたが、まあ上記のようなお話で、映像も

        世界まる見えの再現ドラマをちょっと力入れたくらいの感じです。

        教訓としては、家族が急にカメラにのめりこみだしたら気をつけろって

        とこでしょうか。

         

         


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