クリーピー〜偽りの隣人〜

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    こんにちは、tamaxです。

     

    今日は黒沢清監督『クリーピー〜偽りの隣人』について

    書きます。

    怪しい奴がやっぱり怪しい。

     

    あらすじ

    犯罪心理、特にサイコパス専門に学んだ元警察官の高倉(西島秀俊)は

    警察での失態を機に引退、大学教授に転職。

    かつての緊張感はないものの安定した穏やかな日々を、妻(竹内結子)と

    マックス(大型犬)と一緒に過ごしていた。

    心機一転引っ越した東京の郊外の一軒家、近所にあいさつ回りにいくと

    一軒は冷たい感じの老母娘。そしてもう一軒には西野という中年男(香川照之)と

    中学生の娘(藤野涼子)と母親が住んでいた。

    しかし、第一印象からめちゃくそ感じの悪い西野に二人は嫌悪感を抱く。

    一方、大学で一コマしか授業を持っていない高倉はヒマすぎてついつい

    趣味である凶悪犯罪の自由研究をはじめてしまう。

    興味を持ったのは6年前に日野市で起きた一家失踪の事件。

    さっそく現地視察に行ったり東京ディープ案内の編集部のようなフットワークで

    調べているとかつての警察の後輩(東出昌大)がコンタクトをとってくる。

    同じようにその事件が気になっていた東出と西島は、事件のたった一人の

    生存者である若い女性から新たな証言を得ることができた。

    彼女いわく、家族は失踪前電話などである人物に操られていたようだ。

    完全に趣味のスイッチが入ってしまった西島はユーキャントストップ。

    一方、家で得意の料理をしているだけの妻、竹内はあんなに嫌がっていた

    隣人香川とだんだん距離を詰めていた。

     

     

    原作はちゃんとした(?)北九州監禁殺人のようなサイコサスペンス小説の

    ようですが、黒沢清の調理でおもしろホラーみたいになっています。

    西島と竹内が越してきたのは郊外も郊外で、裏山みたいなところにぽつぽつと

    民家が続いているような場所なんです。

    両隣くらいに挨拶しておこうと竹内の手作りチョコレートを持って訪ねるの

    ですが、そのうちの一軒が香川ハウス。

    チョコレートを渡すと「え?一粒1000円くらいするやつですか?」とか

    失礼なことを言ってくるし、明らかに挙動がおかしいしとにかく失礼な

    奴なので夫婦そろってアイツには関わらない方がいいということにします。

    ところが妻の竹内はヒマだからなのか夕飯のシチューを作りすぎたからと

    また香川ハウスに持って行ったりするのです。

    香川には中学生くらいの娘(ソロモンの偽証の子)がいるのがわかり

    ちょっと安心した竹内は、娘に料理を教えるというテイで自宅に香川親子を

    招いたりもしはじめます。

    西島秀俊が家電のCMみたいに爽やかに帰宅すると、エグい顔した香川が

    いるんだから不思議です。

    親しくなってみると、意外と普通っぽいところもある香川なのですが

    やっぱりコイツは怪しいぞと元刑事のカンを働かせる西島。

     

    西島の刑事のカンが万能で、実はなんとなく興味をひかれた6年前の

    親子失踪事件に隣の香川くんが関わっていたのです。

    香川が一緒に住んでいる娘と、顔を見せない奥さんは実は赤の他人で

    香川が乗っ取り、洗脳支配している家族でした。

    香川の家は一見普通の古い民家で、玄関を開けるとシューズボックスに

    あじさいのドライフラワーが飾ってあったりする所帯じみた家なのですが

    奥へ進むと突然完全防音設備や死体を真空パックする機械などがある

    シェルターが現れるのです。

    どういう間取りになっているんでしょうか。

    その異空間が怖かったですねぇ。

    その家庭内手工業で香川の娘をやらされているソロモンの偽証の子が

    淡々と死体処理とか薬物投与をこなしています。

    こういう事件では実際もそうですが、10代の子供の場面適応力というのは

    大人の何倍もあるということがよくありますよね。

    それが子供の純粋さでもあり強さでもあるわけですが。

     

    適応しているようで、自分の芯のようなものはかろうじて失わずに保っていた

    ソロモン子とは違い、いい大人であるはずの西島の妻、竹内が大変なことに

    なっていきます。

    見た目も言動も素性も何もかも西島には劣る香川の性奴隷になっていく竹内。

    (実際そういったシーンはありませんが)

    手作りチョコレートでやめておけばよかったものをシチューなんか作っていくから…。

    しかし竹内がなぜそんなことになっていくのか、まったく理解できないわけでも

    ないのです。というのは、西島は優しいしイケメンだし特になんの問題もない

    夫に見えるのですが、やはりどこかちょっとネジが一個足りないというか

    「ほんとうのところ」をわかっていない男という感じがします。

    恐らく竹内は子供がほしかったんじゃないかと思います。まだ十分若い夫婦ですが

    子供のことを二人でちゃんと解決しないまま大型犬を飼うことでうやむやにした

    過去があるのでは。

    竹内は料理が得意だったのでABCクッキングの講師とかになればよかったのかも

    しれません。

    そういう竹内の心のスキマスイッチを香川がみつけてしまったのだと思います。

    あと西島は竹内よりサイコパスの方に興味がありそうでした。

     

    疲れてるときにカカオ度の高いチョコを出してくれたり、肉を冷凍しといてくれたり

    洗顔後に無言でタオルを差し出してくれたりする夫でも、女性の本当の望みや不満を

    わからないと、男女間の信頼は壊れてしまうというテーマで観ればなかなか面白かったです。

    ちょっと惜しい。

     


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      • 2018.04.03 Tuesday
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      • 06:39
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