大統領の料理人

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    ボンジュール、tamaxです。

     

    今日は料理を題材にしたフランス映画、以前読者のひらたまきさんに

    おすすめしていただいた『大統領の料理人』について書きます。

    糖質制限?ナニソレ。

     

    あらすじ

    南極基地の取材に来ていたTVクルーたちは、現地でおばさんが

    シェフとして働いているのを知りがぜん興味を持つ。

    しかもなんとその人はここへ来る前にミッテラン大統領の

    専属シェフを務めていたというから驚き。

    興味津々丸で近づくものの全く相手にはされない。どうやら

    大統領のシェフ時代はなかなかヘビーだったようだ。

    場面は南極時代と大統領シェフ時代を行ったり来たり。

    片田舎のレストランのシェフだったオルタンス(おばちゃん)は、

    ある日突然家の前に黒い車が止まり、エリゼ宮に連行される。

    一度名刺を交換しただけのジョエル・ルブションたっての推薦で

    大統領の専属シェフにならないかというドッキリみたいなお誘いだった。

    とまどいつつも引き受けることにしたオルタンスは、大統領の好む

    「フランスのおふくろの味」を再現し、喜ばせることに

    やりがいを見出していく。

    ところが、ぽっと出のおばちゃんに仕事を奪われた元々いた厨房の

    連中からはいやがらせをされ、経理や大統領の主治医からは

    コストやカロリー面で厳しい制約を課され、オルタンスは

    窮地に追い込まれていく。

    そして何がどうなって南極まで来たのでしょうか。

     

     

    おばちゃんおばちゃん言っていますが、主人公のオルタンスは確かに

    熟女ではあるのですがしゅっとしていて、いつも女性らしく

    それでいて男性のようにしっかりと頼りになる男気溢れる素敵な

    女性です。

    厨房で実際に料理を作りますが普段着のブラウスとスカートに

    ネックレスもして、その上にエプロンを羽織るだけなんです。

    コック帽やコックコートを着た厨房の男性コックたちとの明かな

    違いです。

    オルタンスの料理は日常の料理、おかんの料理です。

    だから味付けも結構適当。オルタンスの助手として、若手の

    男の子がつくのですがオルタンスが調味料の配分を指示していると

    彼に「全部で4/3ありますけど?」とか突っ込まれたりする。

    ですがオルタンスの作る料理は天性のもので、大統領が希望していた

    「素朴なフランス料理の原点」のような料理を次々と出して

    気に入られます。

    画作りが美しい。鴨のナンタラとかナントカのパイ包みとか

    これのどこが家庭料理なんじゃいという言いたくなるほど

    素材の良さを引き出した官能的料理の数々です。

     

    しかし官邸も厨房も完全なる男社会。

    質の悪い男のイジメによって立場が悪くなっていくのですが、

    それよりもなによりもオルタンスが不満をもったのは

    「必要とされている実感を持てない」ということだったように思います。

    男だらけの職場では、男たちは自分はキャリアが何年だとか

    レベルがどうだとかそういうところに誇りを持っているから

    いいのですが、オルタンスが欲していたのは「大統領が

    何を好んで、何を喜んでくれたか」なのです。

    大統領はオルタンスのこともちゃんと認め、大事な昼食会の

    あとにはわざわざオルタンスのもとへやってきてお礼を

    言ってくれたりするのですがいかんせん忙しいので

    そこまで料理人に時間を割くことはできません。

    オルタンスはもっと感想を言ってほしそうでした。

     

    この映画のニクいところは、ミッテラン大統領が実際に

    「オルタンスの料理を食べるシーン」を極力映さないのです。

    料理が運び込まれたら、オルタンスは厨房で終わるまで待ち、

    サーブした人に「どうだった?反応はどうだった?」と

    聞くのですが「うーん、おいしそうに食べてましたよ?」とか

    言うだけ。実感が乏しいんですね。常に一方通行。

    なのでオルタンスの大統領の料理にかける想いも次第に

    エスカレートし、本物のポルチーニ茸を取りに行くために

    飛行機でとんぼ返りしたりと美味しんぼもビックリなことになり

    経理担当者に注意を受けます。

    「アタシは大統領に最高の料理を食べてもらいたいだけなのに」

    段々と自分らしさを失って、夜の厨房でげんなりしているところに

    お忍びで大統領が!

    ここではようやく大統領は、暗い厨房でオルタンスの目の前で

    トリュフを食べてくれるのです。

    このシーンは夢か幻のようにささやかですが、いつも孤独な

    オルタンスが一瞬報われた感動的なシーンです。

     

    しかし方向性の違いとイジメに疲れてしまったオルタンスは

    ついに大統領の専属シェフの座を降りることにします。

    辞表と一緒に大統領への手紙を残して。

    この手紙のナレーションは、涙なくして見られません。

     

    「私の仕事は、報われることの少ない日陰の仕事です」

     

    誰かのために料理を作る人は、誰もが料理人だと思います。

    私も今は夫と息子に毎日料理を作っていますが、こんな

    メシマズでもやっぱり感想を聞きたいし美味しいと言って

    もらえたら達成感を味わいます。

    しかし自分が子供のころ、朝昼晩と我々に料理を作って

    くれた母に、はたして毎度毎度感想やらほめ言葉を

    言っていたでしょうか。

    時にはぞんざいに扱ったりもしたかもしれません。

     

    オルタンスの手紙はこう続きます。

     

    「それでも、あなたのために料理を作るのが好きでした」

     

    オルタンスと大統領の間には恋愛感情はなかったかもしれませんが

    それ以上に強い繋がりがあったのではないでしょうか。

    しかしながら映画は、その後の大統領や厨房で関わった人間たちとの

    エピソードは出てきません。

    オルタンスが去って、元の厨房の奴らは「イエー!」とか言って

    喜んでるし、なんだよ、結局女性がつらいだけじゃん!と思うのですが

    最後には、やはり女性の強さ柔軟さも感じることができて

    しみじみいい映画ダナーと思いました。

     

     

    みなさんも、料理を作ってくれた人にはしつこいくらい

    感想を言ってあげてくださいよ。

    ノーコメントが一番つらいんだから。

     

     

     

     

     

     


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      • 2018.08.22 Wednesday
      • -
      • 17:38
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      • -
      • by スポンサードリンク

      コメント
      >最後には、やはり女性の強さ柔軟さも感じることができて
      本当にそうですよね。
      オルタンスに比べて、厨房の男たちのまあカッコ悪いこと。

      私は大統領とオルタンスが二人で、昔の料理本の話をするシーンが好きです。あとやっぱり夜の厨房でトリュフのシーンかな。

      私もこれ、予告編をみて「明るくスッキリした気持ちになれそう」と思って観たんですよ。全然違った。でも違ってがっかり、ではなく思わぬ儲けものだった、と思いました。しかしあの予告編はあんまりです。
      ひらたさん 推薦ありがとうございました!

      そんなに予告編詐欺だったんですか。
      キラキラサクセスストーリーが好きな人は
      がっかりしたかもしれませんね。

      大統領との関係かよかったですね。
      ほとんど片思いなんだけど、だからこそ
      二人で料理談義したひとときや、トリュフの
      シーンが尊いですよね。

      しかし厨房の男もさることながら、南極の
      男ももうちょっとマシな寸劇見せろやと
      思ってしまいましたけど、それすらほほえんで
      見守るオルタンスの懐の深さよ。
      ああいうじょせいになりたいと思いました。
      • tamax
      • 2017/10/21 6:47 AM
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