バックトゥザフューチャー

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    言わずと知れた名作『バックトゥザフューチャー』が地上波で
    放映されて、若い世代がこれが噂の!と話題になっていたそうですね。
    私も小学校のときに家族でVHSで何度も楽しんだクチですが、改めて
    観てみました。
    すると、子供のころは気が付かなかった点、自分が男の子の親になってみて
    新たに感じた点があったので書いてみたいと思います。

     




    あらすじ
    1985年。高校生のマーティはなかよしのマッドサイエンティスト・ドクの発明した
    タイムマシンに乗って、1955年にタイムスリップしてしまう。
    時代の違いに戸惑いながら、未来に還るための燃料をどうにかしようと
    当時のドクと力を合わせてがんばるが、ひょんなことから若いころの自分の母親に
    好かれてしまう。
    このままでは自分たちが産まれなくなってしまうため、いじめられっ子の当時の
    父親に近づき、母親とくっつけようとするのだが…

    冒頭からワクワク感が止まりませんよね。
    ドクの研究室兼自宅のピタゴラ装置、マーティがスケボーで疾走しながら
    町の時代背景、伏線になる仕掛けがテンポよく過ぎ去っていく様子。
    ドクをはじめとしたキャラクターも最高です。

    主人公マーティはロックとスケボー、女の子が大好きなごく普通の高校生。
    両親はお父さんのジョージとお母さんのロレインですが、お父さんが
    高校時代からの腐れ縁で会社でも上司であるビフに虐げられていて
    いまいちパッとしない。お母さんも昔は学園のマドンナだったのに
    そんなお父さんと結婚したためかアル中気味ですっかりおばさんに
    仲が悪いわけではないですが、うだつの上がらないファミリーです。

    マーティは彼女のジェニファーと車で出かける予定の前夜に、ドクに呼び出されて
    タイムマシーンデロリアンに乗って30年前に飛ばされてしまいます。
    カフェで偶然出会った若いころのお父さんと、いじめっ子のビフ集団。
    お父さんは趣味の覗きをしていたところ、お母さんの家の車に轢かれたのを
    きっかけにお母さんと出会うのですが、マーティがついうっかりお父さんの代わりに
    車に轢かれ、そのときに若いお母さんに惚れられてしまいます。

    デロリアンの燃料の方は雷の力でなんとかなりそうだったのに、この一件のせいで
    運命が変わってしまうという大変なことになり、なんとか雷までにお父さんと
    お母さんを再びカップルにせねばならんということです。
    子供の頃観たときはこれが一番ハラハラしましたよね。
    なんせお母さんは一目見たときからマーティにゾッコン。しかも大嫌いなビフから
    助けてくれちゃったりして目がハートです。
    マーティはスケボー上手いし喧嘩も強いし女の子にも慣れていてモテるタイプ。
    一方お父さんはSFオタクで覗きが趣味のいじめられっ子です。
    勝てるわけないやん!と思いましたもんね。

    でも改めて観てみると、実は正反対に見えるマーティとお父さんは
    似ているということがわかるんです。


    癖なんかはそうですが、お父さんがこっそりノートに好きなSF小説を
    書いているんですが、マーティが「出版社に送ってみたら」なんて気軽に
    すすめると「そんなことして才能がないって言われたらどうする!」と
    まるで自信がないんです。
    でも、実はマーティも音楽をやりたいのにデモテープを送る自信はない、
    彼女のジェニファーに「大丈夫よあなたには才能あるわ!」なんて
    励ましてもらわないと学園祭のコンテストにも出られないわけです
    お母さんのロレインは最初に出会ったマーティに心を奪われますが、実は
    お父さんもお母さんの好みのタイプなのです。
    お母さんは「この人私がいないとダメね!」という母性本能をくすぐられる
    タイプが好きで、マーティは本当の息子だから恋だと勘違いしてしまったわけです。
    奇しくもマーティの彼女であるジェニファーも尻を叩いて全肯定してくれるような
    お母さんみたいな人なのです。

    そこのところは、子供のとき観てただけでは気が付かなかったなぁと思いました。
    ダンスパーティーの夜、車の中でロレインは積極的にマーティーに迫りますが
    「あれ?あんたにキスしてもなんにも思わないぞ?」と気がつきます。
    当然、マーティは息子ですから、トキメキとかは感じません。
    自分も息子を持ってみて思いますが、自分の血が半分入っている息子ですから

    旦那よりいいに決まってるんですよ。

    旦那より先に息子に会っちゃったらロレインじゃなくても息子に夢中になると思います。

    でも、正常な感覚があればそれは異性に対する愛情ではないので途中で気づくはずなんです。

     

    マーティのお父さんは、お母さんがビフに乱暴されそうになり、火事場の馬鹿力を出して

    ビフをぶちのめします。

    このことはマーティが過去に来なければ起こらなかったことで、それが現在に帰ったときに

    ビフとお父さんの立場が逆転した要因と考えられます。

    しかし、この一発でビフが改心するとはとても思えないので、この一件からお父さん自身が

    その後の人生を変えるほど自信をつけたということでしょう。

    実際30年後、お父さんはこっそり書いてたSF小説を出版するに至っています。

    でもお父さんのそういった繊細で傷つきやすいルーザー気質というのは、実は息子の

    マーティ、さらにマーティの息子にも連綿と受け継がれていることは

    後の続編を観れば明らかです。

     

    このように、バックトゥザフューチャーは父から子へと受け継がれていく物語としてみると

    また味わい深いのです。タイムスリップ物で、どんなに過去に影響を与えてもなんかまた

    別の枝葉を通って似たような結果になってしまうって定番ですよね。

    性格やDNAは変えることができないけど、その途中で出会う人や何かのきっかけで

    人生は良い方向にも悪い方向にも転ぶ、というのがこの映画の面白さだなと思いました。

     


    奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール

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      こんにちは、tamaxです。

       

      今日は長い長いタイトル、『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』に

      ついて書きます。

       

      あらすじ

      オサレライフスタイル雑誌「マレ」の編集部に転職してきたコーロキ(妻夫木)は

      奥田民生に憧れる男。

      オサレでいけすかない連中ばかりの雑誌編集者で居心地の悪さを覚えつつも

      仕事先で出会った超美人プレス、あかり(水原希子)に一目ぼれをしてから

      恋に仕事にがむしゃらにがんばるようになる。

      努力の甲斐あってか、なんとあかりと付き合えることになったコーロキは

      デレデレの有頂天ライフを謳歌するが、職場の先輩吉住(新井浩文)にそのことを

      伝えると雲行きがおかしい。

      どうやら吉住もまた、あかりと付き合っていたのだった。

       

       

      『モテキ』の大根仁監督による『(500)日のサマー』のオマージュ第二弾です。

      大根さんは本当に(500)日のサマーが大好きなんですね。

      私も大好きです。だからこそ比べてしまうと見劣りしますが、この映画では

      「奥田民生」をキーワードに、より日本人に親しまれる味付けでコンパクトに

      まとめたなという感じがしました。

      不器用な青年が、いわゆる魔性の女に翻弄される作品はたくさんありますが、

      主人公が奥田民生を目指していることがポイントです。

      コーロキは、奥田民生の肩の力の抜けたゆるさと、その内側にある男気や才能に

      惚れ込んで民生のような男になりたい!と強く思いつつニット帽をかぶって

      口を歪めながら暮らしています。

      でも好きになったのはキャッピキャピの猫系ビッチ、あかり。

      あかりにやられている時点でお前は奥田民生ではないだろうと思うのですが、

      あかりはとにかく出会う男すべてを狂わせる才能の持ち主なので、ちょろい

      コーロキはイチコロです。

      実はコーロキの編集部の先輩、吉住もまたあかりに翻弄されているうちの一人で

      あかりがコーロキと付き合っていることを知ると、激昂し会社に来なくなって

      しまいました。

       

      最初こそあかりと付き合えた幸せでウッキウキだったコーロキですが、

      突然連絡が途絶えたり、怒って機嫌を損ねて帰ったかと思えばまた甘えてきたりと

      洗脳や調教に近いやり方で振り回されているうちに、執拗に電話やLINEをして

      しまう束縛男になってしまいました。

      あかりと付き合う男は大体そうなっちゃうみたいです。

      それでもあかりが好きでしょうがない皆さん。

      最後はレザボアドックスのように三人揃ってあかりを奪い合いますが、そこで

      あかりは誰に対しても違うあかりを見せていたことがわかります。

      その人が言ってほしい言葉、してほしい態度、こうあってほしい存在として。

      そしてあかりの実体は、騒動のあとまるで最初からいなかったかのように消えてしまうのです。

       

      そこが『(500)日のサマー』のサマーと大きく違う点だなぁと思いました。

      『(500)日のサマー』でも、猫のように気まぐれで魅惑的な女性に、純情な男性が

      騙されていたように見えるのですが、実際サマーという女性は最初っからブレてないんですよね。

      あかりみたいに男に合わせた自分を作り出したりはしていない。

      サマーはトムに対して私は特定の人は作らないわよ、(すごくいい人と出会ったらわからないけど)と

      最初から宣言していますしデートの途中でちょっと機嫌が悪くなったりもしますがそれは相手を

      コントロールするためじゃなくて本当にトムがやらかしているからでした。

      トムにとっては最後までサマーは「わからない女」のままでしたが、観ている方からしたら

      充分わかるんです。ただ、恋愛の当事者というのは客観的には何もわからないものであって

      わからないなりに自分で消化していくしかないという面があります。

       

      その点あかりは本当にただの怖い人。異常な女ですが、実際この手の女って本当にいるんですよね。

      たぶんこういう女に引っ掛かっても、男性は成長することはできないと思います。

      女性に対する歪んだ偏見をもつだけなので、関わらないのがベストです。

      その証拠に、あかりの被害者の会の一人が「自分も昔猫のような女性と付き合ってね。傷ついたけど

      そのおかげでがむしゃらに仕事して今の自分がある」みたいなこと言っていましたが、のちに

      全然成長なんかしてないどころか余計こじらせていることがわかりますからね。

       

      サマーは私はすごく好きなんですよ。

      男性からしたらズルい女と思えるかもしれませんが、情はあるし、ちゃんとトムを成長させてくれたんですね。

      『(500)日のサマー』のトムは、なんで自分がフラれてしまったのか、納得できる解答は得られないまま

      自分でそれを糧にして、夢だった建築の道を目指します。

      トムは最後に新たな女性に会いますが、トムだったらきっとその女性とちゃんと向き合うことができるんじゃ

      ないのかなと思います。

      ただの精神異常者あかりに振り回されたコーロキは、数年後売れっ子編集者としてすっかり「民生のような」

      男になってチヤホヤされるようになっていました。

      しかしそれは彼が本当になりたかった奥田民生像とは実際は最も離れたところにあり、それを本人も

      わかっています。

       

      この皮肉と『(500)日のサマー』との相違は作り手の意図したところなのか、それとも男性側からみたら

      サマーはやっぱりあかりのようなわけのわからない女、なのか。

      前者だったらいいんですけどね。

      奥田民生さんの曲が常に流れていて、お好きな方はプロモーションビデオのように観られるかもしれません。

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       


      真珠の耳飾りの少女

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        自宅待機で一日中子供と一緒の生活になってしまい、なかなか

        2時間の映画が観られない状況です。

        そんな中でも久しぶりに最後まで観られた一本、『真珠の耳飾りの少女』に

        ついて書きます。

         

         

        あらすじ

        フェルメールの作品『真珠の耳飾りの少女』が描かれた17世紀ころのオランダ。

        貧しいタイル職人の家の娘グリートは、家計を助けるため画家フェルメールの家の

        使用人として奉公に出る。

        無口でいつも口を半開きにしているグリートだったが、もう一人の太っちょ女性の

        使用人とともに仕事を覚えていく。

        フェルメールは資産家の娘と義母の家に入ったマスオさん状態で、奥さんは気が強くて

        性格あまりよくないけどフェルメールにはぞっこん。

        子供をぼっこぼこ8人くらい産んでいる(実際はもっといたそう)のに、グリートには

        女のカンが働いて冷たく当たる。

        それでも健気に働くグリートだったが、フェルメールはそんな彼女の隠れた魅力と

        芸術的センスを見抜き、制作の手伝いからはじまりついには新しい絵のモデルに

        描こうとする。実はグリートもフェルメールに惹かれはじめており、ジュンとしながら

        モデルをつとめはじめるのだが...

         

        日本人大好きなフェルメールの絵画は、感情を抑えた静閑な雰囲気が特徴です。

        映画も同様、ラストでフェルメールの奥さんだけが大爆発しますが、それ以外はみんな

        本心を隠してじとーっと振舞っているような感じ。

        スカヨハが一番色気を駄々漏らしていたハタチ前後の頃で、眉毛も消してるしノーメイク

        ですが、透き通るような肌と隠し切れない豊満ボディが男たちの視線や女たちの嫉妬を

        集めてしまいます。

        当時のオランダの風習なのか、女性たちはみな髪の毛をほっかむりみたいなもので

        隠しており、髪の毛をさらすことは裸を見せる同然だった様子。

        グリートも豊かな髪の毛をほっかむりの下に隠しておりますが、絶対に人前でほっかむりを

        取ったりはしませんでした。

        なのにフェルメール以外にも、フェルメールのパトロンだった好色なおじさん、肉屋の息子などが

        グリートの周りに集まってきます。

        特に目立ったことしてないのに、男にはモテるけど女には嫌われてしまうグリート。

        グリートが気に入らないのは奥さん・奥さんの母だけでなく、フェルメールの娘もでした。

        まだ10歳前後の娘ですが、グリートとちょっといさかいがあったことで目の敵にし、

        仕事の邪魔をしたりグリートの大切にしていたお父さんのタイルをたたき割ったり

        宝石泥棒の濡れ衣を着せようとしたりします。

        少女がここまで陰湿な行動をとるのも、フェルメールの奥さん同様グリートが家庭を

        脅かす気配を感じ取っていたからかもしれません。

         

         

        でもグリートは黙々と仕事をするのみ。

        しかし家事の合間にフェルメールの描く絵を見たとき、彼女の使用人としての表情が消え

        瞳が輝き一人の若い女性としての自然な笑顔がこぼれるのです。

        グリートは時代が時代だったら美大とかに行って美人若手作家として注目されたような

        芸術的センスのある娘でした。

        フェルメールは自分の絵の価値を心からは理解せず、家計を支えるための「飯のタネ」としか

        考えてない妻や義母と違って、純粋な気持ちで絵のすばらしさを理解するグリートに

        惹かれたのです。あと豊満ボディ。

        そんなこんなでなんやかんやありまして、ついにフェルメールはグリートをモデルに筆を

        取ることになりました。あの傑作『青いターバンの女』の誕生です。

        あんまりモデルがこっち見てることの少ないフェルメールの絵の中であの作品は特別な気が

        しますよね。確かにあの作品は誰に依頼されたわけでもなく、フェルメールの個人的な趣味で

        描かれたとしか思えません。

         

        とまどいながらもフェルメールに惹かれているグリートは、一枚一枚服を脱がされていくように

        ほっかむりの代わりにターバンを巻かれ、グロス代わりに唇を何度も舐めさせられ(4回目でオッケーが

        出ました)、空いてなかった耳に真珠のピアスをつけるための穴を貫通させられてしまいます。

        ピアスの穴を貫通!!

        映画の中でフェルメールとグリートは一線を越えてないのですが、グリートの処女耳にピアスを貫通

        させるシーンはほぼやっちゃってるも同然でしょう。

        グリートもこれにはたまらず、フェルメール本人とは関係できませんが火照ったからだを鎮める

        ために自分に思いを寄せている肉屋息子で発散してきます。

        肉屋息子は出会ったときはチャラいのですが、その後一途にグリートを想っているなかなかの好青年。

        グリートの気を引くのも花や贈り物じゃなくて肉でっていうのがいじらしくてよかったです。

         

        まあそんなわけで名画は完成するのですが、奥さんがついに爆発。

        アタシのピアス勝手に使用人なんかにつけさせて何2人で楽しんじゃってるんだよ!!

        罪のないグリートを追い出す結果になってしまいます。

        グリートはフェルメールと一線も越えずに我慢したのに結局追い出されて気の毒ですが、

        奥さんにとっては二人が浮気するよりも、自分にはわかりえないアートの神髄みたいなものに

        学もないくせに無駄にエロい使用人と夫が二人で傑作を生みだしたことが何よりムカつくわけですよ。

        しかもそんなクソ面白くない絵でも、生活のためには大切にしなくちゃいけないっていう。

        奥さんは妊娠している期間の方が長いんじゃないかっていうくらいフェルメールの子をずっと

        産み続けていたらしいのですが、自分が愛されていない不安からくるものだったのかもしれません。

        以前、松田優作の妻である松田美由紀さんがインタビューで「夫にはずっと片思いしているような

        感じだったから、証拠を残すために子供を産んでいたところもある」みたいなことを言っていました。

         

        グリートみたいなミューズも必要ですが、この嫉妬深いフェルメールの奥さんなくしては絵にしても

        子供にしてもフェルメールの遺伝子が世に出ることはなかったのですから皮肉なものですね。

        追い出されたグリートは、絵の才能を持ちながらもまた貧しい一市民に戻ってしまったのですが

        どうか肉屋の息子と幸せに暮らしてほしいなと思いました。

         

         

         

         

         

         

         


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