打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

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    こんにちは、tamaxです。

     

    今回は最近アニメ映画化もされた岩井俊二監督作品

    『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』に

    ついて書きます。

     

    美少女なんで、よろしく。

     

    小学6年生の夏休み。

    仲のいい五人組男子は、今日の夜行われる花火大会の

    話で盛り上がる。

    花火は真横から見たら丸いのか?平っぺたいのか?

    夏休み子供電話相談にでも聞けばいいような素朴な疑問で

    意見が分かれた五人。

    高い灯台に上って確かめてみることになる。

    一方、典道(山崎裕太)は同じクラスのナズナ(奥菜恵)に

    淡い恋心を抱いていた。

    親友の雄介もナズナが気になっていて、告白したいと言っている。

    そんな二人の気持ちを知ってか知らずか、放課後プールで泳ぐ

    典道と雄介のもとに表れたナズナは、50メートル泳ぎの競争と

    勝った方と花火を見に行くことにする。

     

     

    このときの奥菜恵は、宮沢りえのデビュー当時に匹敵するくらいの

    美少女ぶりです。宮沢りえほどの透明感はありませんが、少女らしい

    垢ぬけなさが逆に魅力になっています。

    体格ももう大人とほぼ同じで、とても12才には見えません。

    ナズナは実は両親が離婚し、夏休みが終わったら引っ越すことに

    なっているようです。

    それを典道たちには告げずに、二人を競わせて、勝った方と

    一夜限りのヤケクソナイトすることにしたのです。

    とはいえ、あくまで小学生ですからやることといったら

    バスに乗って駅まで行ってみたり、夜のプールで泳ぐくらいの

    ことなのですが。

     

    この映画は二部構成になっていて、50メートル競泳で雄介が

    勝ったパターンと、典道が勝ったパターンに前後半で分かれます。

    雄介はナズナに花火に誘われますが、なぜか待ち合わせにはいかず

    男グループで灯台に向かいます。典道がナズナを迎えに行くのですが

    ナズナを追ってきた毒母に連れ戻されてしまいます。

    「もし俺が最初からナズナと会えていれば!」そこで場面は

    もう一つのパラレルワールドへ。

     

    ナズナと逃避行に出ることに成功した典道ですが、駆け落ちしようと

    言ったり「何言ってんの?電車なんか乗らねえよ」と情緒不安定な

    ナズナに振り回されてんてこ舞い。

    現実から逃げ出したいと思っているナズナですが、それがまだ

    今の自分にはできないこともわかっています。

    二人は花火大会にはいかず、夜のプールでふざけて泳ぎます。

    出た!夜のプール。

    少年少女の性の芽生えといえば夜のプール。

    夜のプールといえば性の芽生えですね。

    そのころまだまだ子供な少年4人は横から花火を見るために

    ヒーコラ灯台を目指しているところです。

    彼らは女子に興味はあるけれど、まだ恋愛対象というわけでは

    ないのですね。

    ナズナにせっかく誘われたのにすっぽかしてしまった雄介は

    ある意味まだ覚悟ができていなかったのでしょう。

    まだ子供のままでいる方がいい、そう思ったのでしょう。

     

    しかしもうすでに「大人の女」であるナズナと夜のプールに

    入ってしまった典道は、境界を越えてしまったのです。

    出てくる子供たちは全員12才のはずなのですが、主人公の

    典道はまだ9歳くらいにも見えるほどあどけなく、背が高くて

    中学生くらいに見える男子も5人の中にはいるのですが

    そいつが一番子供っぽかったり。

    人は年齢は同じでも年の取り方がちがうということを

    表現したかった映画かもしれません。

     

    最後、花火大会を見ることができなかった4人の少年と

    1人の少年。

    花火師が気を利かせて一発だけ残っていた花火をあげて

    くれたのを、4人の少年は灯台の上で今だ子供時代の

    渦中にいるものとして「横から」見て、典道とナズナは

    過ぎ去っていくものとして「下から」見上げたのでした。

     

    私はボーイミーツガールという言葉がとても好きなのですが

    この言葉のいいところは「ガールミーツボーイ」じゃないってことです。

    いつでもガールにミーツするのはボーイなんです。

    ボーイが目覚めるのを待っているんです。

    たとえば、最近家族で温泉に行った際、2歳の息子を連れて

    女湯に入ったのですが、ダンナに「何歳まで女湯に入れていいのかね?」と

    聞いたところ「女湯に入りたいと思うまで」という回答を得ました。

    つまり、そういうことなんでしょうね。

     


    インサイドヘッド

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      こんにちは、tamaxです。

       

       

      今日はピクサーの『インサイドヘッド』について書きます。

      はっきり言って最高でした。

       

       

      あらすじ

      11歳の少女ライリーの頭の中が舞台。

      明るく元気いっぱいのヨロコビ、愚鈍でネガティブなカナシミ、

      いつも怖がっているビビリ、気分の悪そうなムカムカ、

      すぐぶち切れるイカリの5名の「感情」たちがコントロールパネルで

      ライリーの感情を操り、日々積み重なる記憶のボールを

      作っていた。

      数分ごとに形成される思い出のボールは脳の奥深くへ送られ

      要るものと要らないものに仕分けされる。

      しかし中には「特別な思い出」に昇格する数少ないボールがあり

      その特別な思い出が「性格の島」を作り出し、その人の

      人格を形成しているのだ。

      ヨロコビが主導権を握るライリーの頭の中は楽しい思い出が

      いっぱい。友達や家族と幸せで順風満帆な日々を送っていた。

      ミネソタからサンフランシスコに引っ越すことになるまでは・・・

       

       

      頭の中にいる感情たちはライリーだけではなく、みんなの中にあるのですが

      まだ幼いライリーの感情はお互いを理解しているわけではありません。

      基本的にはリーダーであるヨロコビがウェイウェイ仕切っているのですが

      ここぞというときにそれぞれ感情がしゃしゃってきてライリーの心を

      動かしています。

      ミネソタの自然豊かでのんびりした田舎から、足立区とか板橋みたいな

      サンフランシスコに引っ越してきてしまったライリーは戸惑いを

      隠せないのですが、ヨロコビは「ここが私のがんばりどころ!」とばかりに

      さらにテンションを上げてライリーを笑顔でいさせようとします。

      特に注意したいのはチームの一番の「重荷」であるカナシミ。

      メガネをかけてぽっちゃりした鈍くさい風貌のカナシミが出てくると

      何もかも悲観的でネガティブになってしまいます。

      ヨロコビはなんとかカナシミを封じ込めておこうとするのですが、

      その意に反して「あら・・・やだ・・・わたしどうしちゃったのかしら」

      などとオドオドしながらコントロールパネルに手を出し、さらには

      特別な思い出まで触ろうとするカナシミ。

      揉めているうちに特別な思い出とともにヨロコビとカナシミが吹き飛ばされて

      しまいました。

      それによりライリーの性格である「おふざけの島」「友情の島」「家族の島」

      などが次々と動きを止め崩れていくのです。

      ライリー人格崩壊の危機。

      現実世界のライリーは感情を失い、両親にだまって家出をすることまで

      考えます。

       

       

      これまでの膨大な量の記憶が保管されている脳内をさまよいながら再び

      みんなのいる司令部に戻ろうとするヨロコビとカナシミ。

      その脳内の描き方がおもしろいです。記憶の玉は一時保管されるのですが

      次第に色あせてきて色が黒ずんでしまいます。それを掃除機みたいので

      吸って谷底の「記憶のゴミ捨て場」に仕分け作業をしている細胞みたいのが

      います。

      記憶のゴミ捨て場に一度落ちてしまうとけして元には戻れず、風化してしまいます。

      そのほかにも、夢の撮影スタジオでは毎晩観る夢が撮影され、想像力のテーマパーク

      イマジネーションランドではライリーの空想の世界が広がっています。

      道に迷ってしまったヨロコビとカナシミは、ある人物と出会い一緒に司令部を

      目指すことになります。

      象のような綿菓子のようなイルカのような不思議なソイツはビンボン。

      ライリーの子供の頃の大親友、イマジナリーフレンドでした。

       

      幼児の頃から自室で一人で寝させられる欧米の子供は、みんななんかしらの

      イマジナリーフレンドを作るそうですね。

      しかしライリーももう11才ですから、ビンボンを思い出す機会はめっきり

      減っていました。

      大きな子供のようなビンボンに連れられてあぶなっかしくも一緒に

      司令部を目指すのですが、途中ビンボンとヨロコビが記憶の谷底に

      落ちてしまうのです。

      こっからがアニメ史に残る名シーン!ヨロコビとビンボンはなんとか

      這い上がろうとするのですがそれは不可能に近いこと。

      しかしビンボンが自ら犠牲になることでその不可能を可能にするのです。

      私は最初に観たとき、目玉が取れるかと思うくらい泣きましたね。

      ほんとにとんでもないシーンだと思いますよ。

      ビンボンは再びライリーに思い出してもらい、一緒に遊ぶことを夢見て

      いました。ところがライリーの空想の国からは子供っぽい夢はどんどん

      取り壊され、「理想のボーイフレンド製造機」なんかが新設されている

      んですね。

      人はいつまでも子供っぽい空想ばかりしてられませんから、ビンボンが

      淘汰されるのは仕方のないことです。

      ただ泣けるのはそこだけじゃないんです。

      人生で越えてはいけない一線を越える(ライリーの場合は家出)のを

      本人すら忘れてしまっている幼稚さや無邪気さが、必死で食い止めようと

      しているってことです。

      一線を越える、最近よく耳にしますが誰かを傷つけたり、自分で命を

      絶ってしまったり、それを思いとどまるようにがんばってくれるのは

      その人の記憶のゴミ捨て場の子供っぽさなんじゃないか。

      それをビンボンが象徴してるんですね。

       

       

      ビンボンのおかげで再びカナシミを連れて司令部に戻ることが

      できたヨロコビ。このとき実はヨロコビは、今までお荷物扱い

      していたカナシミが、実はライリーに必要だったことに

      気づいています。

      ライリーの幸せな記憶の裏には悲しみがあり、悲しみがあるから

      ひとの痛みがわかり、より幸せになろうとするんだということ。

      引っ越したときに必要だったのは、無理して元気に振る舞うのではなく

      きちんと悲しむことだったのです。

      それに気づいたおかげでライリーは今まで抑えていた感情を

      溢れさせ、家族との絆が深まり新たな一歩を進めることができるように

      なったのでした。

       

      ちょっと大げさな言い方にはなりますが、この『インサイドヘッド』という

      作品は一度観たら生き方考え方が変わるくらいのすごい作品だと思います。

      自分ひとりの自分じゃないんだなっていうか。

      切り傷は治ろうとするし、心の傷も少しずつ癒えていきますよね。

      私の中ですべての細胞や神経が「私を幸せにしようとしてくれている」って

      ことですよね。

      わたし、ありがとう。わたし、がんばる。って思えますよ。

      最高なんで、ほんと観てください。

      そして目玉を洗いましょう。

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       


      机のなかみ

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        こんにちは、tamaxです。

         

        今日は『さんかく』や『ヒメアノ〜ル』で全私を感動させた

        吉田恵輔監督の初期作品『机のなかみ』について書きます。

         

        青春の残酷

         

         

        成績のいまいち振るわない父子家庭の女子高生の家庭教師を

        することになった馬場(あべこうじ)。

        一目で女子高生の虜になった馬場は、勉強などそっちのけで

        あの手この手で気を引こうとする。

        どこかぽわんとした女子高生はそれを知ってか知らずか

        すごいスルースキルでかわしていく。

        めきめきと成績をあげ、馬場にも心を開いたかに見える女子高生に

        同棲している彼女に飽き飽きしていた馬場は有頂天に。

        しかし女子高生にはある思惑があり・・・

         

        いつものことながら、前半と後半で見方がガラリと変わる構成になっています。

        言葉の通り、前半では家庭教師の馬場目線、後半は女子高生目線になるのです。

        馬場パートはあべこうじのネタを見ているようでなかなか不快です。

        家庭教師なんてしているけど軽薄な男で、女子高生がギターが弾ける人が

        好きだといえばさっそくほかの教え子から無理やりレンタルして練習を

        はじめるような単純極まりない性格。

        馬場が同棲している彼女というのが、ゆらゆら帝国か水木しげるの漫画に

        出てきそうな風貌の、むちゃくちゃ粗暴な女です。

        「どっか連れてけよ〜オラ〜」とかトイレのドアを開けはなして

        「紙取ってっつってんだろ〜」とかいうような鬼彼女。

        これは女子高生に心が動いても仕方ないかも…という気にはなります。

         

        女子高生はストイックに勉強して望みの高い志望校に手が届きそうな

        ところまでやってくるのですが、なんと残念なことに落ちてしまいます。

        失意のどん底でよくわかんないことになっている女子高生のもとに

        訪れた馬場がどさくさにまぎれてパンツを脱がしたところに、帰ってきた

        お父さんが入ってくるという地獄絵図で前半パートは終了です。

         

        後半は女子高生の目線で馬場が家庭教師としてやってくるところから

        ふたたび始まります。

        当然のことながら女子高生は馬場になど興味はなく、親友の彼氏に

        横恋慕していて、二人と同じ大学に行きたくてがんばっていたのです。

        それもその好きな人というのは奇しくも馬場のもう一人の教え子の

        イケメンでした。

        その彼女である一応親友の女子っていうのが、ギャルでもなく

        取り立てて可愛いわけでもなく、気の強さだけで幅をきかせている

        学校の中でのみいい目を見られるやつで、こいつがほんとに

        性格悪くて腹立ちましたね。

        親友面をしつつ、友達が自分の彼氏のことが好きなのをわかって

        マウンティングしてくるんですね〜。

        「いや〜もうアイツとは別れるわ。最近うまくいってないんだよね。

        あ、あんたにあげようか?」

        と言ったかと思えば

        「そんなこと言ったっけ」などと一喜一憂させるのです。

        男も男で、女子高生にも気を持たせてくるし最後まで自分は

        悪者にならずにはっきりしない最低男です。

         

        最終的にはあのゲスな馬場よりこの男の方がよっぽどダメな

        奴ってことがわかります。

        というのも、馬場は女子高生にフラれたとはいえ凶暴なブス彼女と

        寄りを戻すのです。

        馬場が彼女と寄りを戻すことが、単に浮気に失敗したから

        仕方なくもとにもどったってだけではないところがいいのです。

        ブス彼女は可愛げは皆無ですが、おいしいカレーを作ってくれたり

        家のことをやってくれたり、意外と尽くす女です。

        実はほんとに大事なのは、ブス彼女は馬場の可能性を絶対否定しないんですね。

        たぶん心底好きなんだと思います。

        馬場がへったくそなギターを練習しているときも、ゆらゆら帝国みたいな顔で

        「すげーじゃん、なんかできそーじゃん。もっとやれよ」って言ってくれたり

        バッティングセンターでバットを振っていると

        「おまえかっけーじゃん」とかほめてくれる。

        世間一般的には小物中の小物である馬場のことを、一番評価してくれているのが

        実はゴリラみたいなこの彼女だけなんです。

        馬場がそのことに気づいたであろうところがこの映画のハイライトですね。

         

        一方、物語的には「主役」である高校生3人はどいつもダメです。

        親友は性格悪いし、男はズルいし、女子高生はバカです。

         

        自主制作のような荒い感じもありますが、とにかくおもしろく最後まで

        観てしまいました。

         

         

         

         

         


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