ナイトクローラー

0

    こんにちは、tamaxです。

     

    今回はパパラッチを主役にした映画、『ナイトクローラー』に

    ついて書きます。

    目がこわい。

     

    あらすじ

    学歴もコネもないルイス(ジェイク・ギレンンホール)は、鉄くず泥棒などを

    して日々をしのぐ生活を送っていたが、ある日夜の街で事故現場に遭遇。

    その中に踏み入ってスクープ映像を撮り、テレビ局に高く売るパパラッチの

    仕事を目の当たりにし、ビビっとくる。

    すぐにカメラや警察の無線を聴くことができる機材をそろえ、見様見真似で

    自称パパラッチになる。

    最初は右も左もわからなかったルイスだったが、驚きの吸収力、工夫と努力で

    めきめきと頭角を現し、ある大手テレビ局の熟女プロデューサーのお抱え

    パパラッチにまで成り上がる。

    水を得た魚、カメラを得たルイスの成長はとどまることをしらず、次第に

    より刺激的な映像を求めエスカレートしていくのだった。

     

     

    一言でいうとヤバい人が特技を活かせる仕事に就いたらめちゃくちゃヤバく

    なっちゃったという話です。

    主演のジェイク・ギレンホールの顔がルイスという人間をそのまま表していて

    大きなグリグリした目は、勝機をけして見逃さない、暗闇の中のサーチライトの

    ような役割なんですね。

    でもその眼には、事実以外のことは映らないのです。

    もはやルイス自体が性能のいいカメラそのもの。

    たとえばルイスの行動がエスカレートしていくきっかけになるある裕福な家庭の

    強盗殺人事件。ルイスは警察よりも早く現場に到着し、あろうことか事件直後の

    家の中に(鍵が開いていたから)入っていき、(死体の映像は高く売れるから)

    被害者の姿をカメラに収めます。

    私たちの眼は、殺人事件の現場に出くわしたら恐怖を感じたり、良心が働いて撮影よりも

    人命救助とかする判断をするのが普通です。

    でのルイスの眼は同じ映像を映しても違う行動をルイスにさせるわけです。

    ジェイク・ギレンホールが他の健全な映画では、とても純粋でいい人に見えるのも

    実は同じこの眼の力なんですね。

     

    しかもルイスのすごい(質が悪い)ことには、人の心がわからないというわけでは

    ないのです。先ほどの事件現場でも、あえて見る人の感情を揺さぶるため

    家族写真の配置をわざわざ替えて撮影したりしています。

    取引相手になる熟女プロデューサーのことをWikipediaで調べて、

    その心の隙を分析して、脅迫まがいの枕営業もしたりします。

    人の心がわかってうえで、「それを物ともしない」。

    すげえ奴なのです。

    彼は自己評価はもともと高く、「オレはすごく勤勉だし覚えも早い。目標に向かって

    努力できる人間だ」となんの実績もないのに自信満々でアピールできる人だった

    んですよ。そしてその言葉に嘘はなく、本当に勤勉で物覚えもよく、刺激的な

    スクープ映像を撮るためならあらゆる努力・手段を選ばないスーパーデキる

    奴だったのです。

     

    ルイス一人のサクセスストーリーとして観たら、意外とただのエンターテイメント

    だったかもしれません。

    そうではなく、この映画を胸糞悪くしているのは、ルイスがパワハラできる

    唯一雇った部下、リックの存在です。

    リックは中東系の青年で、ルイスと同じく底辺の職を転々としてきたようで

    面接の際「庭師になったんですが花粉症だったのでやめました」というような

    感じの男です。環境や機会さえあればもっとどうにかなっていたんじゃないかと

    思わせる社会の被害者のような人物です。

    私もロスジェネど真ん中なので、すごく共感してしまったのですが、このリックが

    最後ものすごく可哀想なことになります。

    そして、それを機にルイスが本物のモンスターになったのでした。

    リックはいわば「もう一人のルイス」であり、最後の砦だったのです。

     

    彼の死が(あ!言っちゃった)ルイスの業を深めて、もうどうしても許せない奴に

    なってしまうのです。

    ところが不思議とこのルイスを演じるジェイク・ギレンホール、嫌いになれないというか

    結構好きかも。

    役としてはすごく魅力的でもあるのです。

    そして、あまりに可哀想だったリック役に同情して彼のことをWikipediaで調べたら

    この映画の出演後、世界で最も美しい顔に選ばれたり、一番新しいスターウォーズで

    重要な役どころに抜擢されたりしているらしい。よかった!

     


    イットフォローズ

    0

      こんにちは、tamaxです。

       

      今回は低予算でヒットしたホラー『イットフォローズ』について

      書きます。

      憑いてますよ。

       

      あらすじ

      ちょいビッチな女子大生ジェイは、イケメンのマッチョ系彼氏と

      付き合い始めウキウキの日々。

      ところがカーの中で結ばれると彼の態度が豹変。

      これから何かがついてくるようになる。

      それはゆっくり歩いてくるが、必ず追いつかれ殺される。

      回避するには誰かと寝てうつすしかない。

      という趣旨のことを伝えられるがジェイにはなにがなにやら。

      新手のやり逃げかしらと思っていると、その日からジェイには

      他の人には見えない「何者か」が迫ってくるようになる。

       

       

      レンタルビデオ屋であと何か1本借りたいけどぱっと思いつかない

      というとき、大体ちょっとエロいのか怖いのでお茶を濁す経験ありますよね。

      この作品はその両方の要素があるので迷ったとき借りるナンバーワンでしょう。

      ですが期待するほど全然エロくもないし、怖いのかどうかもよくわからない

      話でした。

      でもとても斬新で個性的な作品だなと思います。

      ジェイは金髪でいかにもな量産型のギャルなのですが、どうやら家庭に事情が

      あるらしく中身はそれほど軽い子ではないようなのです。

      ジェイに何かが憑いてしまってから、妹と幼馴染の青年ポールと友人たちに

      助けてもらうのですが幼馴染のポールはずっとジェイのことを好きなのです。

      ポールはジェイとは対照的に地味で真面目そうな、イケてないタイプです。

      (実際はすごくかっこいい俳優さんですが)

      そんなポールがずっと思いを寄せているくらいですから、ジェイも根はいい子

      なんだと思います。

      ジェイはポールのことを信頼していますが恋愛対象の眼中には全然ない感じ。

       

      遊び人のイケメンとばかり付き合ってきたために、変な憑き物をうつされて

      しまうのですが、性病ではなく「イット(それ)」でした。

      それは時には老婆だったり時にはおっさんだったり、時には知っている人間の

      姿に形を変えたりしてどこからでもやってきます。

      ホラー映画のオバケというのは、貞子みたいに個性が際立っていることが多い

      ですがこの映画のそれは定まった形がないのです。

      普通の人に紛れているところが怖いです。

      実際、ジェイにそれをうつした彼はうつした後も怯えていて背のすごく高い

      女の子が歩いてきたら「おい!みんなには彼女が見えるか?!」と失礼な

      ことを言っていました。

      また、その人にとって所縁のある人物の姿をしていることもあり、なぜか

      出てこないジェイの父親(死別か離婚しているか)の姿が全裸で屋根の

      上に見えたこともありました。

      トラウマを持っている相手のニセモノが現れるというところが惑星ソラリス

      ぽさもあります。

       

      ジェイたちは逃げ惑うのですが、最終的にはジェイのことを一途に想う

      幼馴染のポールのクレバーかつ勇敢な方法でそれを退治できました。

      そしてポールは念願かなってジェイと恋人同士になれたのですが、

      二人の表情はまだ晴れず、手をつないで歩く二人の後ろを「なにか」が

      ついてくるシーンで終わります。

       

      この映画にはいろんな解釈がされているようですが、私にはずばり

      「性行為」というものを考えさせるものではないかと思いました。

      そのまんま!

      性行為によってやなことが起きるなら、本当に自分にとって大事な人には

      できないですよね。だからジェイも遊び人の元カレや海にいたパリピ男には

      積極的にうつしにいくのですが、ポールには拒んでいました。

      ポールはぜひ自分にうつしてほしい!と志願してくるのですが。

      でも現実にもそんなによく知らない人の方が性行為は盛り上がり、夫婦とか

      近しい人間になればなるほどなくなっていきますよね。

      恋愛の情熱もまた、「それ」が少しずつですが確実に近づいてくるように

      だんだんと死に向かっていくものです。

      ジェイとポールの二人はその関係を乗り越えたわけですが、そこに真実の

      愛を育てていくこととができるかが「それ」から逃げのびる唯一の方法という

      気がしました。

       

      それにしてもイケてない扱いのポール役のキーア・ギルクリストという

      俳優さんが若いときの三上博史さん似で普通にむちゃくちゃかっこ

      よかったのですが、イケてない役を演じることが多い方のようです。

      ポールに幸あれ。

       

       

       

       


      さざなみ

      0

        こんにちは、tamaxです。

         

        今日はシャーロット・ランプリングの『さざなみ』に

        ついて書きます。

         

        あんたどこ見てんのよ。

         

        あらすじ

        ジェフとケイトは45年連れ添った夫婦。

        子供はいないが、知的な会話を絶やさない仲睦まじい二人であった。

        結婚45周年パーティーの大詰めのときに、夫ジェフのもとに

        一通の手紙が届く。50年前の元カノ・カチャの遺体が

        雪山の中から見つかったというのだ。

        日立の急速冷凍庫のような環境で50年間鮮度を保たれた

        元カノの死体はまるで眠っているかのようだという。

        その死体の存在に完全に心を奪われた夫ジェフは

        冷たく見守るケイトをよそにだんだんと寝言をぼやくようになる。

        そして二人が築き上げてきた45年は、ゆっくりと解凍され

        流れ出していくのであった。

         

        無表情で三白眼、独特の威圧感をもつシャーロット・ランプリングが

        妻です。若い頃はそれはそれは美しかったですね。

        こんなに怒らすと怖そうな妻を、無邪気にキレさせていく鈍感夫に

        ハラハラします。

        ことの発端は一通の手紙が夫宛に届きます。デッド元カノフレッシュ情報です。

        それが夫婦の45周年パーティーの6日前。

        映画はその日からパーティー当日までの6日間だけを描いていますが、その

        短い間に夫がどんどんやらかしていくのです。

        しかし滑り台のように下降していくのではないのですよ。

        妻の方は夫の様子がおかしくなっても一生懸命軌道修正を図ろうともするのです。

        でもそのたびに夫がなんかやらかす。

         

        妻の方は差し迫ったパーティーの準備に追われているのに、夫の心は

        50年前に元カノと行った雪山へタイムスリップ。

        屋根裏の物置にこもって思い出に浸ったり、町をうろついたりしはじめます。

        妻も妻で、余裕を見せたいのでしょうか。夫の寝言に付き合って、いろいろ

        彼女のこと聞き出したりしてしまいます。

        いじらしいなと思ったのは、「カチャはブルネットだった?私みたいな…

        いや今じゃないよ?昔の髪の色ね」とかなんとか言うところ。

        自分が張り合っている相手が50歳も若いのですからね。

        いろいろ聞き出した挙句、妻は安心したいがために愚問を投げかけて

        しまいます。

        「ねえ、もしカチャが死んでなかったら彼女と結婚してた?」

        そんなたらればを言っても仕方がないとはわかっていても、一言いって

        ほしかった。「君を選んだよ」と。

        ところが夫は本当にバカ正直と言うかなんというか愚答を返してしまうのです。

        「うーん、そうなんじゃない?(だって彼女が死ななきゃ君にも会わないからねぇ)」

        カッチーーーン!

        効果音なんてないはずなのに聞こえるシャーロット・ランプリングの心の音。

         

         

        こうなると最早、徹底的に追及しはじめてしまいますね。

        夫のいない間に隠れ家である屋根裏に上り、カチャの写真を見てしまいます。

        なんとそこにはお腹の大きいなカチャの姿が。これが最後の決定打でした。

        なぜなら夫婦の間には子供はいません。くわしいことはわかりませんが

        もしかしたら夫が子供を強くは望まなかったのかもしれません。

        とにかくカチャが妊娠していたことを知って、積み上げてきた45年間の

        二人の信頼は崩れ落ちました。簡単なものです。

        もういいじゃない、45年も経ってるんだからと若い人は思うかもしれません。

        でも月日がたてばたつほど、責任というのは重くなるんじゃないかと思うのです。

        若ければまだいくらでもやり直せる。けど自分のいい時期をこの人に賭けて

        捧げてきたのにそれが間違いだったとわかったら。

        よく老夫婦になってから、あの時隣の奥さんと浮気してたんじゃないかとか

        痴話げんかで揉めるっていう話があるじゃないですか。それそれ。

         

        結婚すると相手のことを「腐らない冷蔵庫」だと思っている人多いですよね。

        この映画の夫はそうです。悪気ないし、妻のことももちろん愛しているんだけど

        何をしても言っても大丈夫だと思っている。

        長く連れ添えば連れ添うほど、地雷を踏んだらサヨウナラだということを

        思い知らされるこわーい映画です。

         

         

         

         

         


        | 1/57PAGES | >>

        PR

        calendar

        S M T W T F S
         123456
        78910111213
        14151617181920
        21222324252627
        28293031   
        << October 2018 >>

        selected entries

        categories

        archives

        recent comment

        recommend

        links

        profile

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        無料ブログ作成サービス JUGEM