イミテーション・ゲーム

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    こんにちは、tamaxです。

     

    今日は数学者チューリング博士の実話に基づく映画

    『イミテーション・ゲーム』について書きます。

     

    天才はつらいよ。

     

    あらすじ

    第二次世界大戦中、ドイツは超難関の暗号、エニグマを

    使って敵国の物資を運ぶ船を撃沈するという外道ぶり。

    国民が飢えて困ってしまった英国は、最高の頭脳を持つ

    男たちをあつめて暗号解読をさせることにした。

    その中に加わったのが天才数学者アラン・チューリング。

    彼はのちにコンピューターの基礎を発見するくらいの

    ヤバいレベルの数学者なのだが、かなり性格に難ありで

    人の気持ちと空気は全然わかりません。

    一応チームワークで進めていかなきゃいけないプロジェクトに

    全く新しいかつ理解不能なアプローチを単独でしようと

    するものだからみんなから総スカン。

    莫大な費用をかけてよくわからんマシンを作り、さらに

    「クリストファー」などと名前を付けてガチャコンガチャコン

    動かしているだけの日々。

    チューリングのよき理解者となる頭のいい女性、キーラ・ナイトレイと

    婚約するんですが、実はチューリングにはある秘密があり…。

     

     

    私はセンター試験の数学A気30点台を取るほどの頭脳を持った

    人間ですけどね、数学者をテーマにしたものは結構すきなんです。

    NHKのポアンカレ予想やリーマン予想の特番も録画して何度も

    観ました。

    チューリング博士も暗号解読に成功したことは知っていましたが

    こんなものすごい苦労があったとははじめて知りました。

    エニグマの解読自体、鬼のように難しい、というか仕組みはシンプル

    なのですが、毎日暗号の「ルール」が0時にリセットされてしまうのです。

    だからすんごい速さで計算できればなんとか解けるかもしれないのです。

    それがチューリングマシーン=クリストファーの開発につながります。

     

    解読が大変なのに、チューリングにはもう一つ困ったことがありました。

    彼は数式はよくわかるのに、「人の気持ちが理解できない」んですね。

    たとえばチームメイトが「そろそろランチにいくよ」と言えば

    普通は自分も誘われてるのかなって思うんですが、チューリングは

    「あ、そうなんだ」で終わってしまうんですね。

    だからみんな「そういうとこだよ!」ってなってしまって余計形勢が

    悪くなってしまうんですね。

    まあだんだんみんなチューリングの頭脳と人柄に理解を示して

    味方してくれるようになるのですが。

    メンバーの中にはチャラいチェスチャンピオンとして顔が甘すぎて

    悪い役をやりがちなマシュー・グッドがいたもんで、絶対あとで

    いやがらせされる!と思いましたけど、意外と彼はいい人でした。

     

    さらに彼の一番の理解者となり相棒となる女性、ジョーン(キーラ・ナイトレイ)が

    現れてからはうまく橋渡しをしてくれて、チームが円滑に回るように

    なっていきます。

    毎日0時を回ると今日の作業はすべてパァになるもんで、みんなでそのあと

    パブ行ってやけ酒したりするんですが(昔からイギリス人てパブ行くんですね)

    そんな付き合いにも顔出したりするようになります。

    これが実は功を奏しまして、パブでマシュー・グッドがナンパしようとした

    丸の内OLみたいな女がいまして、その人の何気ない「OLっぽい恋バナ」を

    聞いたことで暗号解読の最後のKEYをチューリングはひらめくのです。

    これってすごく大事なことで、数学の難題のひとつであるポアンカレ予想に

    挑んでいるペレルマン博士はほとんど人と交わらずに研究室に

    こもって研究していたんですが、ある日珍しく大学のティールームに

    顔を出してたまたま分野外の物理の専攻の人と会話したことで、

    解読にぐっと近づいたんだそうです。

     

    どんなにそればっかり一人で考えていても、

    まったく世界の違う些細なことがふっと入ってきたときに

    解決の糸口が見つかるということがよくあります。

    ただそれはそこまでたどり着くまでに考えて考えて考え抜いたからこそ

    なのですが。

     

    そんなこんなんでついにエニグマの解読に成功し、喜んだのもつかの間。

    今度は別のジレンマがやってきます。

    敵の攻撃を見通して回避すれば、暗号が解けたことがバレて今までの

    努力が水の泡になってしまいます。そこでチームは時々は間違えて

    時々は当てる、つまり生かす人と殺す人を選択するという恐ろしい

    役割を担ってしまうわけです。

    これが、イギリスがつい最近まで隠していたという「不都合な真実」です。

    このことを隠すために、チューリングは戦争終了に大いに貢献したにも

    関わらずろくすっぽ評価されずさみしいその後を送ることになります。

    チューリング自身の抱える「ある問題」のせいで、せっかくよき

    パートナーだったジョーンとも別れてしまいます。

     

    のちに、自分が作ったマシーン「クリストファー」だけを頼りに

    一人暮らしているチューリングのもとをジョーンが訪ねた時

    もうだいぶ精神やられている状態のチューリングが

    「一人にしないで!僕を一人にしないで!」と取り乱すシーンがあります。

    これはぐっときましたね。よくこの手の浮世離れした人や、精神に障害の

    ある人は「一人でも平気なんだろう。さみしさを感じないだろう」と思っていませんか?

    でもそういう人こそ、見せかけの「さみしくなさ」にだまされない分、

    本質的な孤独を最も恐れているのかもしれないなと思いましたね。

     

    普通はいい映画を観たあとは他の人感想や評価を知りたくなるもんですが

    この映画の場合はチューリング博士本人について調べたくなりましたね。

    とにかくドキドキハラハラして目が離せないし、ドラマもあって

    数学のセンター試験が30点台の人間でも感動できる映画でしたよ。

     

     

     

     

     

     

     


    残穢〜住んではいけない部屋〜

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      今日は小野不由美原作の映画『残穢〜住んではいけない部屋〜』
      について書きます。


      あらすじ
      一般人の怪奇体験を短編にして雑誌に寄稿している作家の「私」の
      ところに、久保さんという女子大生から一通の手紙が届く。
      一人暮らしをはじめたアパートの部屋で、畳をほうきで
      はくような音がするというのである。
      とりたてて怖い話でもなかったのだが、「私」は以前読んだ
      手紙の中で似たような話があった気がして調べてみると
      久保さんと同じアパートで全く同じ体験をした別の住人が
      いたことがわかった。
      しかし、不思議なことに同じ現象の起こった二人の住んでいる
      部屋は全く別だったのである。
      このことに興味を持った「私」と久保さん、あと知り合い何名かで
      アパートの過去を探っていくと、様々な共通する怪奇現象が
      時代を超えてその周辺で起こってきたことが明らかになった。
      やだなにそれこわい。



      『着信アリ』や『クロユリ団地』みたいな量産型のジャパニーズ
      ホラーかと思っていました。
      実際これでもかと怖がらせようとするシーンはほとんどなく、
      驚かされるのが嫌いな人でも落ち着いた状態で観進めることが
      できると思います。
      下手な来るぞ来るぞがないだけに、しっかり話を聞いていられます。
      ホラーというよりはミステリーに近い感じで、おまえが幽霊の正体か!

      と思ったら実はその人も別の霊に悩まされて自殺したんだとか

      霊障が霊障を呼んでいく壮大なストーリーです。

      女子大生が最初に体験する怪奇現象、畳を箒で掃くような音がするの

      正体は着物を着たまま首をつったおばあちゃんでした。

      ところが、以前住んでる部屋とは別の部屋で同じ体験をした人が

      いました。さらに別の部屋でも違うレパートリーの変な体験を

      した住人がいたことが明らかになります。

      しかしアパートの大家さんも昔からいる住人も、このアパートで

      自殺や殺人など事件があった過去はないと言います。

      これは建物レベルじゃなくてこの土地や歴史に何かあるのでは

      ないかと調べ始めると、アパートが建っていた土地には豊洲並みの

      土壌問題があったのでした。

       

      首をつったおばあちゃんは赤ちゃんの泣き声に悩まされて自殺し、

      赤ちゃんの泣き声は赤ちゃん殺しの女性によるものだったのですが

      その女性も床下から聞こえる声に動かされて子供を殺していた、

      床下の声は、私宅監査されていた精神病の男性のものだったが

      その男性が発狂したのはあるいわくつきの絵を見たせいで…

      と、オバケに苦しめられた人が自分もまたオバケになり、さらなる

      被害者を増やしていくというオバケのネズミ講状態。

      一体その大元になるオバケのディストリビューターは誰なんだと

      探っているうちに、ついに時代は明治、場所は九州にまで

      広がります。範囲が広すぎる。

       

      そこで「私」と女子大生に強力な助っ人登場。

      ホラー作家平岩芳明(平山夢明)さんが「私」のホラー作家仲間という

      ことでこの自由研究に参戦。

      最恐のディストリビューターのルーツを探しに、みんなで九州に

      修学旅行に行くことになった頃にはだんだん楽しくなってきました。

      お約束の廃墟探検などをして、一応の「答え」には突き当たり、

      もうなんだかわけわかんなくなってきちゃったんで終わりに

      しようかということになります。

      しかし、やはりそれだけでは終わらないのがジャパニーズホラー。

      この件に関わったすべての人に終わることなく「穢れ」が続いて

      いきます。女子大生の久保さんは部屋を引っ越したんですが、

      新しい部屋でもまた「あの音」が聞こえるようになったとか。

       

      心霊現象は場所に付くのではなくて人に憑くということなんですが

      その憑き方は必ずしも関わり方に比例しないのがリアルだなあと思いました。

      全然気にせず暮らしている人もいれば、ほとんど関わっていないのに

      重篤化する人もいます。

      あと一番こわいなと思ったのは、女子大生の隣の部屋に人の好さそうな

      三人家族が越してくるのですが、そこにもおかしなことが起こりはじめ

      すぐに出て行ってしまいます。

      そしてしばらく後に、その家のダンナさんが妻と子供を殺害したという

      ニュースを知るのです。

      なんでこわいかというと、その部屋で心霊現象を体験してこわがって

      いたのは奥さんだったんですね。でも殺したのはダンナさん。

      やはり人の心が狂っていくということ自体がいつの時代も一番

      恐ろしいんだなと思いました。

       

       

      これから部屋を探したり引っ越したりする予定の人は、大島てるだけでは

      わからないことがあるという意味で、観ない方がいいと思います。

       

       

       

       


       


      怪しい彼女

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        こんにちは、tamaxです。

         

        今回は以前ひらたまきさんにおすすめされた韓国映画

        『怪しい彼女』について書きます。

        50歳若返ります。

         

        あらすじ

        気が荒くて口が悪くて家族をはじめみんなから疎まれている

        ばあさんマルスンは、幼馴染のじいさんパクと一緒に高齢者カフェで

        働く普通の高齢女性。若くして未亡人となり、病気がちだった

        一人息子を苦労の末育て上げ大学教授にしたことだけが人生の誇り。

        昔は結構可愛くて、何より歌が上手で歌手を夢見ていたことも

        あったが当時を知り慕ってくれるのはパクじいさんとバンドを

        やっている孫の男の子だけ。

        同居している嫁は姑マルスンの小言がつらくてストレスでダウン。

        それを機に施設に預けられることになってしまったマルスン。

        自分はなんのために苦労して生きてきたのか、もうゲンナリ

        したから最後に遺影の写真でも撮っておくかと写真館で

        写真を撮ってみたらあらなんと。20歳のころの自分になっていました。

        見た目は若い女、中身はたくましいおばあちゃんというギャップと

        得意の歌でマルスンは孫のバンドのボーカルになりみるみる人気者に。

        彼女を見出したイケメンプロデューサーと淡い恋もしたり、孫の

        バンドもメジャーデビューできそうになったりと、味わえなかった

        青春を満喫するマルスン。

        ところがあることをきっかけに、マルスンは再び元の自分に戻る

        決意をする。

         

         

        若返る前のマルスンは、結構なレベルのうざいばあさんです。

        悪い人じゃないんだけど、素直じゃないし喧嘩っぱやいし

        自己中心的だしであんまり周りからよく思われていません。

        バンドをやってる孫の男の子のことはかわいがって(甘やかして)

        いますけど、息子と嫁さんは「若い頃苦労してくれたから面倒みるか」って

        感じです。

        ところが、若返ってみるとそんな「ばばくささ」がかえって

        魅力となるのです。それは、今は強がっているマルスンでも

        貧乏しながら女手ひとつで病気の一人息子を育てるのには本当に

        苦労をしてきたから。

        ひねくれざるをえなかった彼女の重ねてきた苦労、人生経験が、

        若い歌声に渋みを与え、聴く人の胸に訴えるのです。

        桜田淳子が復活して昔の歌を披露して、みんな涙したってニュースで

        やっていましたけど、年を重ねたからこそ出せる味があるのです。

        そんなババアと若い子のいいとこどりでどんどん夢を現実にしていく

        様子は観ててとても気持ちがいいです。

        韓国の笑いのセンスは肌に合わないんですけど、この映画は韓国の

        セルフパロディって感じで、量産型Kポップに辟易している音楽

        プロデューサーとか、オチわかっているのに引っ張る韓流ドラマを

        ネタにしていて笑えました。

         

         

        こういうセンスの人なら、きっとラストも韓国映画の定石じゃない

        終わり方を見せてくれるかな?って期待しましたがそこはやっぱり

        どうしたって韓国。

        「待ち合わせの時間に間に合わない」からの「交通事故」という

        お家芸出して来ちゃいました。

        結局そうなるんかーーい!とちょっとがっかりしましけど

        20歳のマルスンが自分の母親だと気がついた息子が、

        「僕のために好きなこともできない人生だったんだ。

        お母さんはこのままもう一度人生をやり直して」

        「わたしゃもう一度生まれ変わってもおんなじ人生をやり直したいよ。

        じゃなきゃお前に会えないだろ?」

        っていうくだりはもうさすが泣かせの韓国。

        風邪気味でつまってた鼻が通りましたね。

        そんなわけで中身だけばあさんは外身もばあさんに戻り、また

        家族と一緒に暮らし始めました。

        孫のバンドはデビューを果たし、姑に圧迫されていたお嫁さんも

        やぶきたブレンドの二人くらいには言い返せる関係になってよかったね。

         

        恋愛面では、ちょっといい感じになった音楽プロデューサーとは

        ばあさんに戻ってからは遠くから眺めるだけでとくにお互い関わらない

        ままだったのがよかったですね。

        あと陰ながらいつもばあさんを守ってくれている幼馴染のパクじいさんよ!

        彼の一途さには胸が熱くなりましたね。あと、ばあさんと犬猿の仲だった

        老人界隈の姫、派手なおばあさんが突然死んじゃったのもおもしろかったですね。

        倉本聰も老人ホームを舞台にしたドラマをはじめて「老人ホームは恋愛の宝庫だ」

        みたいなことを言っていましたし、私もまだあと30年経て春がやってくるかも?

        という気持ちになれました。


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