パラサイト〜半地下の家族〜

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    こんにちは、tamaxです。

    公開中の映画をリアルタイムで感想を書けました。

    時計回りにおねがいします。

     


    あらすじ

    半地下の住宅で暮らす全員失業中の貧困家庭、キム家。
    ひょんなことから、長男が超大金持ちのパク家での家庭教師の職を
    得たことから、あれよあれよといううちに金持ち一家をだまくらかして
    家族全員が家庭教師・美術教師・お抱え運転手・家政婦といった
    具合にパク家に就職できました。
    仕事に就けてラッキーなだけではなく、だんだんとその裕福な生活から
    「おこぼれ」を与るように。
    ある日、パク家の幼い息子の誕生日旅行に一家が出かけたのをいいことに
    家族揃って羽目をはずしていたところ、その家の地下に隠されたとんでもない
    真実が明らかに。どうなる、半地下家族。


    さてさて、もうみんな大好き『パラサイト〜半地下の家族〜』ですよ。
    この映画はクレバーなポン・ジュノ監督が散りばめた伏線やメタファーだらけで
    観た人たちが様々な考察を繰り広げていますね。
    毎度のことながら考察や裏情報は他所に任せて、私が感じたことだけ書いていきます。

    キム家の長男がまず家庭教師として、金持ちんちの娘に取り入ります。
    いきなりボディタッチをかますことですっかり娘をメロメロに。
    さらに、才能があって美大を目指してるんだけどお金がなくて叶わない半地下家の長女は
    金持家の幼い少年に美術教師兼遊び相手みたいな感じでなんなく入り込みます。
    キム家はお父さんとお母さんは全然そうでもないんですが、息子と娘がすげえ
    優秀なんですね。頭を使ってどんどんパク家に侵入していく前半の下りはワクワクです。
    パク家はイケメンのIT社長はいいんですが、美人妻が面白いくらい簡単に騙されるんです。
    この家を実質牛耳っていたベテラン家政婦を追い出すのには少し苦労しましたが
    割とすんなりパク家の信頼を得てしまいます。
    ここまではイケイケGOGOなのですが、事態はある夜一転します

    金持ち一家がキャンプに出かけてフリーナイトを満喫しているところに、
    前任の家政婦が大雨の中やってきたのです。
    思わず中に入れてしまってから地獄のはじまり。なんと元家政婦は借金取りに追われている
    夫を地下室のシェルターで「飼育」していたんですね。
    トイレだけある牢獄のような地下室で、家政婦の夫は何年も人知れずネズミのように生息していました。
    最悪なことに、元家政婦にキム家がグルであることがバレてしまい、さらにさらに天気が悪すぎるからつって
    金持ち一家があと8分後に戻るという連絡。
    そこからはジェットコースターのように息もつかせぬ展開となっていきます。

     

    ここからはネタバレ&私の思ったことをまとめてみます。

     

    ■二人のお母さん

     

    キム家とパク家の対照的な二人の「お母さん」。

    半地下母はいかにもオバタリアンといった感じでお父さんを尻に敷いています。

    若い頃はハンマー投げのメダリストだったようです。腕力もあります。

    片や、金持ち家の若い奥さんは高校生の子供がいるとは思えない、少女の

    ように天真爛漫で可憐な奥様です。もっと悪役に描かれてもよさそうな

    ポジションですが、映画の中ではお金持ちゆえに人を疑うことを

    知らない純粋無垢な人としてわりと周りからも好評価です。

    半地下家族が金持ち家族の不在の夜に酒盛りをしているシーンで

    半地下母が「私だってね、お金に余裕があればもっと優しくてかわいい女に

    なれたわよ」みたいなことを言っていましたね。

    でもどっちが本当に優しいのか。

    地下でのびている前家政婦夫婦に、パーティーのご馳走をこっそり持っていって

    あげてと言ったのは半地下母でした。(蹴り落としたのもそうだけど)

    金持ち母の方は、車にパンツが落ちてたくらいで元運転手を簡単に切り捨てますからね。

    自分たちの得にならないものは容赦なく切る、あるいは存在すら見ようとしないのが

    金持ち夫婦です。

     

    ■半地下家族のお父さんと娘

     

    映画をずっと観ているともう大体わかってくるのは、この家族のガンはソンガンホ

    演じる親父です。この親父の不甲斐なさのせいで家族はここまで落ちてしまいました。

    子供たちは割とだいぶ優秀で、下手すると金持ち層よりも能力も教養も高いのです。

    特に妹の方は、能力もさることながらこの家族の中で最も「ひっぱられる力」が

    弱いのです。ひっぱられる、というのは弱者・愚者・敗者の立場に気持ちを

    持っていかれることです。妹はこの力がもともと弱いので、家族で酒盛りシーンで

    お父さんがやめさせた前任者たちのことをちらっと気に掛けるようなことを言ったとき

    「は!そんな奴らのこと気にすることないよ。自分たちのことだけ考えなよ」みたいな

    ことを言っていましたね。妹のマインドは金持ち側に近いんですね。

    だからうまくやればあっち側の世界に行ける人でした。

    「ひっぱられる力」が一番強かったのはお父さん。だから同じ台湾カステラで失敗した

    家政婦夫に、最後一番最悪な形でひっぱられてしまいました。

    お父さんのそういうダメさは、人の良さでもあるわけで、今までもそうやって

    騙されたり損な役回りをさせられてきたんじゃないかと想像します。

    半地下兄の方は、妹よりも少しひっぱられる力がお父さんに似てあるみたいなので

    最後「いつかお父さんを助け出す」という儚い「計画」を立てるのは兄の方だったのかな

    と思います。

     

    ■「ニオイ」(レイヤー)を越えていけるのは子供たち

     

    いくら体裁を取り繕っても体に染みついた「ニオイ」は貧困層と富裕層の絶対に越えられない

    レイヤーの象徴となっていましたね。

    半地下家族全員同じニオイがする、と金持ち息子は気がついていましたし、IT社長もはっきり

    感じて嫌悪感を示していました。

    テーブルの下に隠れて金持ち夫婦が乳繰り合いながら「あの運転手はくさい」みたいな話を

    しているのを聞いてから、お父さんの思考力が段々低下していくのがわかりました。

    あきらめです。

    不思議なことに、金持ち一家の子供たちは意外とこのニオイを気にしていないんですね。

    男の子の方は「みんな同じニオイがする」と言ってたわりには、美術教師の妹の膝の上で

    ちょこんと甘えて絵を描いていました。

    高校生の姉は、代打の家庭教師である兄にガチ恋です。

    兄にこのバイトを紹介してくれた慶応ボーイみたいな元々の家庭教師の青年とはそこまでいって

    なさそうだったので、かえって半地下兄の持つ「ニオイ」に魅力を感じたんではないかと

    思います。

    ラスト、瀕死状態の兄を必死で背負って救助する姿が映っていましたよね。

    この恋は本物だったんだと思います。

    まだ偏見や差別が大人ほど形になっていない子供たちには、階層を越えていける可能性が

    あるような気がしました。

     

    観終わってみて、先にも書いた「ひっぱられる力」のことが強く残りましたね。

    成功したり、裕福な環境で育つ人には必要ないのがひっぱられる力なんですよね。

    私もひっぱられますもん。毎朝使っている駅に、ホームレスの青年がいるんですけどね。

    その人を見るたび「やだなぁ、きたないなぁ、見たくないなぁ」と思う反面、

    「夜って寒くないのかな。この前の雨のときどうしたんだろう」ってひっぱられちゃいますもん。

    そういう人間はこの世の中でのし上がっていくことはできないんだと思います。

    だからこそ、ひっぱられる力のある生き残った兄が、ほとんど不可能に近いような

    「成功していつかあの家から父親を助け出す」という計画が切なく感じられるラストでした。

    でも、レイヤーを越えていけることができる子供たちが、せめてもの救いかなと思いました。

     

     


    ザ・サークル

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      こんにちは、tamaxです。

       

      今日はSNSと透明化の恐怖を描いた『ザ・サークル』に

      ついて書きます。

       

      ハーマイオニーたん、戻ってきて。

       

      あらすじ

      派遣会社で働く田舎育ちのごく普通の女性、メイは世界的大企業に勤める

      友達のコネで「サークル」という会社に入社することになる。

      やる気マンマンで仕事に打ち込もうとするが、なんとなくこの会社

      キモチワリィなぁと思うところも多々あり。

      障害を持つ両親も喜んでくれているが、幼馴染のマーサーだけは

      その会社やめたほうがいんじゃね?と助言する。

      しかしサークルの世界にのめり込みはじめたメイは、ついに新しいプロジェクト

      「24時間カメラをつけて世界中から監視される」という電波少年企画の

      実験台として名をあげ一躍スターにのし上がる。

      メイの知名度は上がり、周りからも評価されるが会社を紹介してくれた親友アニーや

      大切な幼馴染マーサーとは疎遠になってしまう。

      それでも調子に乗り続けるメイは、ある日最悪の事故を起こしてしまう。

       

       

      サークルはいわゆるSNSやクラウドサービスを開発した一大企業のようなもので、

      トップにいるのはトム・ハンクス、あと開発者数名。

      とにかくこの会社がすっげぇ気持ち悪いのです。

      社員はすべてアカウントでつながり、趣味や休みの日まで周りと「シェア」を

      しなくてはなりません。

      しょっちゅうパーティーが開かれ、定期的に行われる合同集会では、ステージで

      何を言っても「イヤァアフゥ」「ホッホーゥ」。こればっかり。

      ハーマイオニーたんはその中で特に華々しい経歴や業績を残したわけでもないんだけど

      トム・ハンクスに見いだされ、24時間監視サービスの対象者になります。

       

      主人公であるメイですが、そんなに突出した個性や野心があるわけでもない、

      普通の子なんですよね。でもユーチューバーでも人気のある人って、まあオシャレは

      オシャレなんですけど、何をどう思って自分を世界に発信しようとするのかなと

      疑問になるくらい結構普通の人が多いですよね。

      強いていうなら「染まりやすい」という特徴でしょうか。

      自ら実験台第一号になったメイは、小型カメラを服に付け、トイレやお風呂以外は

      朝から晩まで世界に自分の生活を発信。

      それに対してたくさんのコメントや反応がリアルタイムで飛び交います。

      すでに遠くない未来に実現しそうなサービスですね。

      その中で、うっかりつないだ両親がおセッセしているところを全世界に

      生中継してしまったりという失敗もよりファンを増やす結果に。

      気の毒な両親は、最初はサービスに協力していましたがカメラを外してしまいます。

      さらに、メイがスター化してサークルの合同集会みたいなのでジョブスさながら

      ステージに立って演説までするようになり、この会社を紹介してくれた親友の

      アニーも疲れや嫉妬から離れていってしまいます。

      最初は「こんなん見て楽しい?」と違和感もあったメイですが次第に

      フォロワーとの「つながり」を断ちがたくなっていってしまいます。

      というか人生全てがそれだけになってきてしまいます。

      大切な人がどんどん離れていっても、メイはなんとか平気。だってカメラの向こうに

      私の「仲間」がたっくさんいるんだもん♪

       

       

      しかしついに決定的な悲劇が起きます。

      全世界を監視するというメイが考えた「ソウルサーチ」という新しい監視システム

      によって、音信不通になっていた幼馴染のマーサーを山の中から見つけ追走している

      うちに追い詰められたマーサーが交通事故で亡くなってしまうのです。

      マーサーが可哀相すぎる!!

      このマーサーを演じているのは私が大好きな映画、『6才のボクが、大人になるまで』で

      大人になった僕、というか本人であるエラー・コルトレーンです。

      この俳優さん、イケメンというわけでもないんですがすごく素朴ないい顔してるんですよね。

      彼自身が、リアルに6歳からずっとカメラに撮られ続けた人生だったんですから、

      メイを止める気持ちもよくわかりますね。

      鹿の角で素敵なオブジェを作る、誠実でまっすぐな青年でした。

      幼いころはメイと一緒に野山を駆け回っていたのに、今はすっかりSNS廃人になってしまった

      メイに「もっと社交性を持ったら?」などと言われてしまいますが、それに対して

      「社交性あるだろ。現に君とこうやって話しているんだし」と反論するんですがメイには

      響きません。サークルに染まってしまったメイにとっては「社交性」とは、SNSで多くの人と

      繋がってシェアすることだからです。

       

      そんなマーサーが死んじゃった。事故とはいえ、メイとサークルのせいです。

      2、3日は落ち込んでみたメイですが、結局はまたカメラをオンにし、たくさんの「仲間」からの

      しらじらしい励ましの言葉で復活してしまうのです。

      あーもうダメだコイツは。

      ラストではなんか、もう麻薬中毒者のように「私たちは一生見られる生き方とうまく付き合っていくしかないよね」

      みたいな感じで終わります。

      最初はサークルでバリキャリしていたアニーの方が、故郷のスコットランドに帰りデジタル断食に成功していました。

      もうメイはダメです。戻ってこられません。

      最近でいうと、東出と不倫した唐田えりかさんの裏垢が流出しましたよね。

      こんな芸能人だって、バレたらとんでもないことになるとわかっていたって、裏垢で発信してしまうのを

      抑えられないんですからとんでもない世の中になったものです。

      サークルでは「プライバシーを持つことは秘密を持つこと、秘密は社会に対する嘘だ」という極論に

      達しています。

       

      いきなり話変わりますが、私はスマップの中では慎吾ちゃんが好きなんですけどね。

      かなり昔、何か番組のドッキリ企画かなにかで草薙の楽屋にカメラを仕掛けられているのを

      見た慎吾ちゃんが「俺だったら鼻くそ食べてるかも」と言っていたのを聞いて大好きになったのです。

      どこまで監視社会が進んでも、鼻くそを食べる時間、空想にふける時間、誰にも見られない時間というのは

      人間にとっての尊厳ですよ。

       

      なんだか不完全燃焼でマーサーが可哀相すぎる映画でした。

       

       

       


      この世界の片隅に

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        あけましておめでとうございます、tamaxです。

         

        今回はやっとこさ観た『この世界の片隅に』について書きます。

        こまいこまい、人生。

         

        あらすじ

        第二次世界大戦下の広島。絵を描くことや空想が好きなぼんやりおっとりした

        主人公、すずは呉市に嫁ぐことになる。

        優しい夫・周作とその両親、ちょっといじわるな小姑、小姑の娘・晴美らと

        ともにのほほんとそこそこ幸せに日々を暮らしていたが、次第に戦況は深刻化。

        広島にもあの「運命の日」がやってくる。

         

         

        2016年に公開され、日本中ほとんどの人が観たと言ってもいいくらい評価の

        高かった作品ですね。

        評判通り、戦争下でも「普通の生活」をしていた人々の暮らしや、一回チャラになって

        しまった広島の街の以前の姿をイキイキと描いていたのが印象的でした。

        戦前にもちゃんと文化はあったということを改めて感じさせられました。

        アナログ的に細部まで描いたアニメーション表現や、多くを語らず、「察してもらう」

        感じの物語の運びは新鮮で、いろんな人が感想で書かれているので私がいまさら

        書くことではありません。ここでは私が感じたことを書きたいと思います。

         

        すずは周作にどっかで見初められて、よくわからないうちに嫁いできてしまうのですが

        まんざらでもないようで結構ラブラブしています。

        すずは劇中でも「ふつうじゃのう」と言われたり、これといった特徴のない

        どこにでもいる女、とされていますが実際は探すといそうでいない、オタクの女神に

        なるタイプの可愛らしい女性です。

        そんなすずですから、結婚前にちょっといい感じになった哲という幼馴染がいました。

        哲は繊細な周作とちがってわりと男らしいタイプ。海兵になった哲は休暇中に人妻の

        初恋の相手、すずに会いに来ます。

        そこで周作の家族にもてなしを受けた哲は、周作の計らいですずと一晩過ごすことになります。

        周作個人の感情にすればもちろん嫌だったでしょうが、相手はこれから死に行く兵隊さん。

        二人の間のことも無視して強引に嫁がせてしまった負い目もあったのでしょう。

        すずは今は周作の妻として自覚があるため、事には至らなかったのですが、こういう

        おおらかさというか、個人の感情とかそういったものを超えた大きな力がこの時代には

        まだあったんだなぁと思うシーンでした。

         

        すずは小さいころからお話を考えたり、絵を描くことが大好きな女性でしたが、炊事や裁縫は

        得意ではありませんでした。本人はがんばってはいるのですが、いろいろ失敗もします。

        さらに、これはあくまで私の憶測ですが、すずは子供が出来にくい方だったんじゃないかと。

        中盤、すずが想像妊娠なのか流産なのか、妊娠かと思ったら生理が止まっていただけ、チャンチャン♪

        みたいなシーンがあるのですが、20そこそこの若い夫婦が、仲良くよろしくやっていて

        たとえ戦時中とはいえ子供が出来ない方が少なかったんじゃないか。

        つまり、もしかするとすずは家事も得意でない、子供もできにくい、当時としては結構

        「使えない嫁」だったんじゃないかということです。

        そんなすずでも、家族の中で愛されて(小姑からはいびられていましたが)、晴美の遊び相手になり

        周作にとってはかけがえのない妻になっていくのです。

         

        ところが、すずと晴美が一緒にでかけた日空襲に遭い、すずは右手を失い、幼い晴美の命も亡くしてしまうのです。

        唯一得意な絵を描くことができる右手、自分は子供を産んでいないのに他人の大事な子を死なせてしまった。

        さすがのすずも絶望の淵をさまよいます。

         

         

        ここで急に私の身内の話になるのですが、私の祖父はすでに他界していますが、画家・イラストレーター・

        デザイナーとしてすごい仕事をたくさん残したもっとも尊敬している人です。

        その祖父のこんなエピソードがあります。

        祖父が青年のころ戦争に行く徴兵検査で、一分間に田んぼの田の字をいくつかけるかというものが

        あったのですが、デザイナー気質の祖父のことですから周りが一心不乱に書きなぐっているのを

        尻目に完璧に形やサイズの揃った田んぼの田をセンター合わせでじっくり書いていたもので

        「こいつは使えん」ということで徴兵を免れたというのです。

        すずも、祖父と同じく絵の才能やクリエイティビティがありましたが、国益を重視する当時は

        それがかえってマイナスに働いていました。

        創造や遊びといった色が排除されるのが戦争ですから。

         

         

        徴兵検査で合格してしまった祖父の兄は、戦地で亡くなってしまいました。

        そして、お国のために闘えなかったいわば落ちこぼれである祖父に、未亡人になってしまった祖父の

        兄嫁があてがわれました。それが祖母です。

        今となってはアンビリーバボーですが、当時はよくあったそうです。

        かなりの姉さん女房の祖母と祖父でしたが、夫婦仲はすこぶるよかったです。

        「破れ鍋に綴蓋」という言葉、私好きなんですよね。

        人を殺せる健康な肉体、強靭な精神を持っていなかった祖父に、中古品になっていくあてのない

        祖母があてがわれたおかげで、父が産まれ、私が産まれることができました。

         

        すずたち夫婦も終戦後、空襲で孤児となった女の子をたまたま拾ってそのまま引き取るところで

        お話が終わります。

        ノミだらけでひどい有様だったその子が、笑顔を取り戻していく様子がエンドロールで流れます。

        もし、すずたち夫婦にすでに自分たちの子がいたら、晴美が死んでなかったら、その子を

        引き取ることはなかったかもしれません。

        人はみんな欠けているところがあるから、補おうとするのです。新しい回路をつなごうとするのです。

        破れ鍋に綴蓋。そこから生まれる豊かさがいかに大切かを、改めて教えてくれる映画です。

        私の祖父母の話を思い出しながら、感慨深く観ました。

         

         

         

         

         

         


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