冷たい熱帯魚

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    こんにちは、tamaxです。

    先日、美容院で髪を切ってもらっている間、なぜか埼玉の

    愛犬家連続殺人事件の話になり、そういえばと思って

    観ました。

     

    ボデーを透明に。

     

    あらすじ

    小さな熱帯魚店を営む中年男社本(吹越満)は、20歳そこそこの娘と、

    再婚した若い妻(おっぱいの人)と三人で暮らしていたが、

    若妻と娘の折り合いが悪く、自分と若妻とも折り合いが悪く、

    息の詰まるような生活だった。

    ある日、男と遊び歩いているバカ娘が万引きをして捕まり、呼ばれたところで

    仲裁に入ってきた初老の男、村田(でんでん)と出会う。

    村田も近くで大きな熱帯魚店を経営しており、娘の万引きを助けてもらったことも

    あり急にお近づきになった社本家。

    陽気で人懐っこいおっちゃん、という印象の村田だったがその中身は恐ろしい悪魔だった。

    社本家は次第に村田とその妻との地獄のような世界に引きづりこまれていくのであった。

     

     

    冒頭からおっぱいの人こと、社本の後妻が冷凍食品をスーパーで乱雑に買い込み、

    汚い電子レンジにボンボン放り込んで温めただけの夕食を無表情で用意しています。

    夕食を作るときこの顔は私もよくやるのでちょっとドキっとしましたが、これでもうこの妻は

    家庭生活にうんざりしていることがうかがえます。

    でんでん演じる村田は自分の利益やちょっとした利便性のためにホイホイ人を殺す

    殺人鬼だったのですが、まだ万引きを助けてもらったくらいでは逃げられる余地が

    あったと思います。縁を切ればいいのですから。

    ところがまず不良娘がなぜか村田に懐き、フーターズみたいなエロ熱帯魚店のミニスカ

    店員として住み込みでバイトし始めてしまう。

    さらにはおっぱい後妻を急展開で寝取ってしまうのです。

    この展開の速さは非常に「ある」感じだなと思いました。

    おっぱい後妻を手籠めるシーンは、とても怖かったですね。

    最初は水槽の魚を見せて世間話なんかして次第に後妻の悩み、弱みに近づいていきます。

    そして一気にガっといくんですね。殴るんですよ、パン!と。

    この唐突な暴力。これが洗脳なんですね(誰なんだ)。

    一瞬考える力を奪い、少し我に返りそうになるとまたパンと殴られる。

    このテンポですよ。

     

    いわゆる凶悪犯罪に巻き込まれるとき、性的に手なずけられる、つまり一発ヤラれるか

    共犯をさせるかとはよく言いますね。

    村田はまず娘と後妻を性的に支配し(娘はヤられてはいませんが、フーターズ住み込み

    長屋にはレズのニオイがしました)、社本にはあれよあれよという間に死体を運ばせたりと

    共犯関係を成立させています。

    その手際の良さたるや。

    こうなるともう、出会ってしまった段階でこいつからは逃げられなかったかもしれないなと

    思い直しましたね。

     

    冷たい熱帯魚は最初にも書いたとおり、実際の事件が元になっています。

    でんでん演じる村田はほぼ忠実に実際の犯人を再現しているようで、

    「ボデーを透明にする」などというキャッチーなセリフも犯人自身が言っていた言葉だそうです。

    ただ、映画として園子温エンターテイメントにするため、なぜか村田の奥さんがやたらと

    エロい頭のおかしな女性として描かれています。

    実際の犯人と共犯の妻は、小太りで女性らしさもない、地味なおばさんでした。

    性格も几帳面でお嬢様育ちで真面目だったというのですが、鼻歌を歌ったり楽しそうに

    遺体処理をしていたことは事実だそうです。

    そういう女性がどうしてそっち側にいってしまったのか、またそういう女性にも

    エロくて頭がおかしい部分があったならその方が面白いんじゃないかと思いましたね。

    外見的にもニッチェのどっちか辺りに演じてもらいたかったですね。

     

    そういったこともあり、実際の事件から離れて創作部分になっていく後半はあんまり

    面白くないなーという印象でした。

    現実の方がよっぽど怖くて、どうしたらこういう恐ろしい世界と無縁に生きていけるのか

    切実に考えてしまいます。

    女性だったらひとまず、おっぱいを半分以上出して歩かないことからはじめましょう。

     

     

     


    犬ヶ島

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      こんにちは、tamaxです。

       

      今回はウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』について書きます。

       

      あらすじ

      舞台は近未来の日本。大都市メガ崎市では、犬嫌いの小林市長が犬インフルエンザの

      流行を理由にすべての犬をゴミ島に隔離する政策を強いていた。

      市長の養子アタリ少年は護衛犬スポッツを探すため単身ゴミ島に渡るのだった。

      そこでは犬たちが過酷な環境の中で殺伐とした社会を形成。

      中心となる5匹の犬グループは墜落してきたアタリ少年とともにスポッツを探す。

       

      ウェス・アンダーソン監督の映画はだいたいオシャレ先行型であまりグッとこないのですが

      今回は日本が舞台で犬が主役という興味ひかれるものでした。

      おフランスに行く飛行機の中で観ました。

      ストップモーションアニメによるチカチカした動きや、ウェスアン独特の

      間に加え、「ヘンテコジャパン」という要素がおもしろい仕上がりになっていました。

      メガ崎市は今よりも未来なので高層ビル群やメカの進歩は甚だしいんですが、市民は

      ブラウン管みたいなテレビを観ていたり、草履を履いていたりと、近未来と昭和初期が

      共存しているような世界なのです。

       

      このメガ崎市=東京の描き方には心を奪われましたね。はじめてウェスアンのDVDほしいと

      思いましたからね。

      実は兼ねてから、外国人(主に欧米の)が感じている「日本の魅力」と、日本人が

      自分の魅力だと思っているところがズレているんじゃないかと思っていたんです。

      日本人て不思議なものでね、綺麗に作りあがっている部分だけがみんなに見えているすべてだと

      信じてるところがあるんですよね。

      これは浄瑠璃とか神楽とか、舞台文化の名残なんですかね。

      動かしている人形の部分が「見られるべき部分」で、それを動かしている黒子の部分は

      見えないものとして暗黙の了解があるというか。

      だから観光地でも美しい古い町並みや寺社仏閣、都会なら高層タワマンやスカイツリー、

      近代建築のブティックが立ち並ぶ情景だけが魅力だと思いがちなんです。

      でもね、人間の眼球ってもっと広範囲に見えるものですから。

      木造の歴史ある建物や貴重な史跡のすぐ隣に、プレハブみたいなコンビニや消費者金融の

      看板だらけの雑居ビルがあるのが日本なんですよ。

      豊洲の未来的シーンの足元に、江戸時代の香り漂うパンチの効いた佃の風景があるのが

      東京なんですよ。

      舞妓さんとか浮世絵みたいな世界観と、顔からはみ出そうな瞳のアニメ絵やエロマンガが

      共存しているやばみがNIPPONなんですよ、今や。

       

      メガ崎市は日本のそういうパラドックスで頭おかしい感じを再現した街で、本当に

      素晴らしかった。東京の目指す姿はこれだよと思いましたね。

      私は犬ヶ島を観たあと、パリを観光したんですが、想像を超えた完成度の逃げ場のない

      美しさにびっくらこきましたね。

      言うても絵ハガキになるような景色みたいのは一部分で、あとは日本みたいに適当に

      近代化されてるんだろうなと思ってたんですよ。

      ところがどこを見ても絵ハガキ。どっちを見ても風格。鼻くそをほじってもオシャレ。

      パリと比べたら東京のチープさ、猥雑さにがっくりくるくらいです。

       

      けれど、美人は3日で飽きるとも言います。

      日本(東京の)街の良さは、視点の角度によっていっぱい逃げ道があるところです。

      今はまだ戦前か?みたいな懐かしい三丁目の夕日的風景もあれば、イケイケのアーバンシティもある。

      ちょっと足をのばせば小京都のような古い歴史的建造物にも出会える。

      そういう道を一本飛び越えたらまるで世界が変わってしまうようなおもしろワールドを

      売りにしていって、メガ崎市みたいな不思議な都市になれたら、世界に引けを取らない国になる

      んじゃないでしょうかね。

       

      あと言葉についても面白かったですね。

      この映画は日本人以外が観るのが正しい姿で、日本人が観てしまうとちょっと意図が

      違ってしまうところがあります。

      それは、日本人キャラが日本語をしゃべってもその全ては訳されていないのです。

      日本語を理解できない人種の人が観たら、登場人物が何言ってるのかわかんないんですよ。

      これも海外から見た日本を表現しているんですね。

      これだけ先進国(一応)でありながら、ほとんど全く英語が通じない国というのは

      逆に珍しいのが日本です。

      相当オリエンタルだと思いますよ。いろいろサービスや交通などは便利なのに、

      道行く人はほとんど言葉が通じない国。スパイシーでしょ。

       

       

      小池百合子はこの映画絶対観るべきですね。

       

       

       

       

       

       

       


      サーチ

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        こんにちは、tamaxです。

         

        今日は全編「デジタル画面を通した」映像で作られた映画

        『サーチ』について書きます。

        粘着パパががんばります。

         

        あらすじ

        アメリカに住む中国系の家族、夫婦と一人娘のマーゴット。

        母親が病気で亡くなってしまってから、父と娘二人で

        穏やかに暮らしていた。

        ところが、成績優秀で品行方正な娘マーゴットが、ある日突然

        連絡が取れなくなる。

        夜中に父親の携帯に何度も着信があったことから、行方不明事件として

        警察に捜査を依頼することになる。

        一方で、メディア機器に強い父親は、パソコンやスマートフォンを

        駆使し、娘のSNSにハッキングすることに成功。

        独自の捜査法で娘を必死に探し始める。

         

         

        冒頭はマメなお父さんが家族の思い出や出来事、情報をパソコンの中に

        綺麗に整理整頓していることを紹介しつつ、これまでこの家族がどういう

        家族であったかがパソコンの変遷とともにわかるようになっています。

        美人で愛情あふれたお母さんは亡くなってしまったようです。

        お母さんは料理も上手で家事も完璧だったのでしょう。

        現在になると、お父さんは放課後の娘のiPhoneのメッセージ画面に、キッチンの

        ゴミを捨ててないことを写真付きで送り非難します。

        娘マーゴットは友達とこれから勉強会だと言うのですが、終いにはフェイスタイムが

        かかってきてしまいます。

        私はこのiPhoneのフェイスタイムが苦手なのですが、このお父さんは大好きで、

        連絡手段は基本フェイスタイムみたいです。

        この映画の手法上そうならないとやっていけないのでしょうが、とにかくこの

        フェイスタイムで、観客もお父さんの顔を常に見続けることになります。

        十代の多感な時期に、四六時中お父さんからのしつこい顔時間。

        結構つらいと思いますが、『いい娘』のマーゴットは笑顔で対応します。

        しかしその晩に、マーゴットは姿を消してしまうのです。

         

         

        顔、というのが結構重要だなと思いました。

        というのも、マーゴットのお母さんは夏目雅子似の美人だったのですが、マーゴットは

        もっと美少女も使えたと思うんですが、まあまるで似てないんですよ。

        最初フェイスタイムの画面に映る娘はちょいブスくらいなんですね。

        美人で完璧だったお母さん。きっと娘にとっても永遠の憧れの女性だと思います。

        しかし娘が失踪してから、奮い立ったお父さんは、得意のデジタル手腕(お仕事も

        プログラマーか何かで完全リモートワークのようでした)と根っからの

        粘着質の性格を駆使してまずは娘のSNSに侵入します。

        するとまあ娘もイマドキの子で、facebook、instagram、あとなんか動画配信みたいの

        いろいろやっていて、ツールごとにキャラクターを変えていたようなんですね。

        そうやって娘のSNSを覗いてアップしている自撮りとかを見ていると、意外と

        見ようによってはお母さんに似ているんですよ。

        フェイスタイムで見た実物はガンバレルーヤよしこっぽいのに、SNSではちょっと

        夏目雅子が入りかけてる。

        これはお父さんにとっても驚きだったんじゃないでしょうか。

         

        お父さんの中でも娘はちょいブスで、だらしないところもあるけど純粋でいい子で

        世間知らずなはずだった、でも実際はお母さんに似たもっと危うい色気なんかも出していた。

        そしてその危うさでもって今回の事件が起きてしまったのです。

         

        SNS見てコイツはやっべえと確信したお父さんは、エクセルで表を作って娘と

        からんでるアカウントを片っ端から調査していきます。

        この仕事の有能さはすごいですね。多分マクロも使ってますね。

        驚異のスピードでアナログ捜査を進めている警察よりも重要な手がかりに

        たどり着きます。

        映画は100%なんかの画面を通した映像だったり画像、文字だったりで進んで

        いくのですが、このお父さんのすごいのは画面の前から一歩も動かない

        安楽椅子探偵ではないのです。

        夜中の雑木林にも行って証拠をめっけてくるし、娘のアカウントにからんでいた

        いかにもワルそうな男のインスタの位置情報から、映画を観ようとポップコーン

        持って並んでたそいつを見つけて殴りかかって、防犯カメラに映ってたりする。

        どうやら娘が沈んでるかもしれない池の捜索がはじまったときも、寝る間も惜しんで

        探し続けるのです。

         

        最初はゴミの溜まったゴミ箱の写真を送ってきたりするモラハラ気味のお父さんに

        ちょっと引いたりしてたんですが、命に関わってくるとこのお父さんの有能さは

        尊敬に値しますね。

        ただ後にわかるのは、娘が病んでしまったのはこのお父さんの独善ぷりによるところが

        大きかったのですが…。

        マーゴットの悩みは、最愛の母を亡くしてしまったこともあるのですが、お父さんが

        ありのままの自分を認めてくれない(と思ってる)ことが原因でした。

        お母さんに似てない顔(と自分では思ってる)もコンプレックスだったんじゃないでしょうか。

        行き場のない承認欲求がいくつものSNSアカウントで危険を呼び寄せてしまっていたの

        でした。

        でも見ていると、娘のSNSに出てくる「友達」はどいつもこいつもいつマーゴットと

        同じ目にあってもおかしくない子ばかりでしたけどね。

        みんな「普通の子」なんですけどね。

         

        あとパソコンのデスクトップというのは本当に人間の脳を象徴的に表しているなぁと

        思うのが、あっちを開きながらこっちを開いて同時に作業したり、混乱してくると

        情報がデスクトップにとっ散らかってわけがわからなくなってしまう。

        なんと、あの整理整頓好きのお父さんまでが捜査に行き詰ってそうなってしまうのです。

        そして、「ひらめき」は今まで見た視界のどこかにあってその時は気にも留めていなかったのに

        あるきっかけでピンとくる、というも実にうまく表現されていました。

        ネタバレになりますが、一番ゾクっときたのはフリー素材の女の人です。

         

         

        分かったようなことを書いていますが、次々と覆る事実にいちいちびっくらこいて

        最後まで完全にだまされました。

        首尾一貫して「画面」というフィルタを取っ払うことなく終わるところが潔い。

        それなのに実に気持ちの良いラストで、ハッピーエンドなのがありがたい。

        映画の終わりに、開いていたウィンドウをひとつひとつ閉じていき、

        パソコンがシャットダウンしたときには、あー(頭の)ハードディスクを

        ようやく休められる!という解放感がありました。

         

        それにしても今の十代は、親にSNSのアカウント教えなくてもいいけど

        いざというときのためにgmailのアドレスは共有しておいた方が身のためかも

        しれませんね。

         

         

         

         

         

         

         

         

         


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