机のなかみ

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    こんにちは、tamaxです。

     

    今日は『さんかく』や『ヒメアノ〜ル』で全私を感動させた

    吉田恵輔監督の初期作品『机のなかみ』について書きます。

     

    青春の残酷

     

     

    成績のいまいち振るわない父子家庭の女子高生の家庭教師を

    することになった馬場(あべこうじ)。

    一目で女子高生の虜になった馬場は、勉強などそっちのけで

    あの手この手で気を引こうとする。

    どこかぽわんとした女子高生はそれを知ってか知らずか

    すごいスルースキルでかわしていく。

    めきめきと成績をあげ、馬場にも心を開いたかに見える女子高生に

    同棲している彼女に飽き飽きしていた馬場は有頂天に。

    しかし女子高生にはある思惑があり・・・

     

    いつものことながら、前半と後半で見方がガラリと変わる構成になっています。

    言葉の通り、前半では家庭教師の馬場目線、後半は女子高生目線になるのです。

    馬場パートはあべこうじのネタを見ているようでなかなか不快です。

    家庭教師なんてしているけど軽薄な男で、女子高生がギターが弾ける人が

    好きだといえばさっそくほかの教え子から無理やりレンタルして練習を

    はじめるような単純極まりない性格。

    馬場が同棲している彼女というのが、ゆらゆら帝国か水木しげるの漫画に

    出てきそうな風貌の、むちゃくちゃ粗暴な女です。

    「どっか連れてけよ〜オラ〜」とかトイレのドアを開けはなして

    「紙取ってっつってんだろ〜」とかいうような鬼彼女。

    これは女子高生に心が動いても仕方ないかも…という気にはなります。

     

    女子高生はストイックに勉強して望みの高い志望校に手が届きそうな

    ところまでやってくるのですが、なんと残念なことに落ちてしまいます。

    失意のどん底でよくわかんないことになっている女子高生のもとに

    訪れた馬場がどさくさにまぎれてパンツを脱がしたところに、帰ってきた

    お父さんが入ってくるという地獄絵図で前半パートは終了です。

     

    後半は女子高生の目線で馬場が家庭教師としてやってくるところから

    ふたたび始まります。

    当然のことながら女子高生は馬場になど興味はなく、親友の彼氏に

    横恋慕していて、二人と同じ大学に行きたくてがんばっていたのです。

    それもその好きな人というのは奇しくも馬場のもう一人の教え子の

    イケメンでした。

    その彼女である一応親友の女子っていうのが、ギャルでもなく

    取り立てて可愛いわけでもなく、気の強さだけで幅をきかせている

    学校の中でのみいい目を見られるやつで、こいつがほんとに

    性格悪くて腹立ちましたね。

    親友面をしつつ、友達が自分の彼氏のことが好きなのをわかって

    マウンティングしてくるんですね〜。

    「いや〜もうアイツとは別れるわ。最近うまくいってないんだよね。

    あ、あんたにあげようか?」

    と言ったかと思えば

    「そんなこと言ったっけ」などと一喜一憂させるのです。

    男も男で、女子高生にも気を持たせてくるし最後まで自分は

    悪者にならずにはっきりしない最低男です。

     

    最終的にはあのゲスな馬場よりこの男の方がよっぽどダメな

    奴ってことがわかります。

    というのも、馬場は女子高生にフラれたとはいえ凶暴なブス彼女と

    寄りを戻すのです。

    馬場が彼女と寄りを戻すことが、単に浮気に失敗したから

    仕方なくもとにもどったってだけではないところがいいのです。

    ブス彼女は可愛げは皆無ですが、おいしいカレーを作ってくれたり

    家のことをやってくれたり、意外と尽くす女です。

    実はほんとに大事なのは、ブス彼女は馬場の可能性を絶対否定しないんですね。

    たぶん心底好きなんだと思います。

    馬場がへったくそなギターを練習しているときも、ゆらゆら帝国みたいな顔で

    「すげーじゃん、なんかできそーじゃん。もっとやれよ」って言ってくれたり

    バッティングセンターでバットを振っていると

    「おまえかっけーじゃん」とかほめてくれる。

    世間一般的には小物中の小物である馬場のことを、一番評価してくれているのが

    実はゴリラみたいなこの彼女だけなんです。

    馬場がそのことに気づいたであろうところがこの映画のハイライトですね。

     

    一方、物語的には「主役」である高校生3人はどいつもダメです。

    親友は性格悪いし、男はズルいし、女子高生はバカです。

     

    自主制作のような荒い感じもありますが、とにかくおもしろく最後まで

    観てしまいました。

     

     

     

     

     


    渇き

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      こんにちは、tamaxです。

       

      今日は韓国映画『渇き』について書きます。

      あー血が吸いて。

       

      敬虔な神父であるサンヒョン(ソン・ガンホ)は、死にゆく

      人のために祈るだけの人生に疑問を感じ、体中に水泡ができ

      死に至る難病の生体実験に加わる。案の定奇病に侵されて

      死んじゃうんだけどなんやかんやあって吸血鬼として復活。

      手をかざすとどんな病気でも治せる奇跡の人として

      新たな活動をはじめたサンヒョンだが、時々血を飲まないと

      また水泡が出ちゃって非常に苦しい。

      植物状態の太ったおじさんからチューブで血をもらいつつ

      ヒーコラ生きていたら、昔の友達一家と再会しそのお宅で

      行われる定期麻雀会に参加することに。

      老舗のチマチョゴリ屋である友人宅は、野村のサッチーみたいな

      お母さんと、ちょっと頭の足りないダメ息子、そして身寄りがなく

      幼少のころにこの家に拾われて飼うように育てられ、そのまま

      ダメ息子の嫁にされたテジュがいた。

      美人なのに目の下にクマを作り、髪の毛もボサボサで幸薄さ

      全開のテジュに同情するうち、吸血鬼神父は禁断の恋に落ちてしまう。

      自分の境遇にずっと不満を抱いていたテジュもまた、サンヒョンに

      救いを求めついに二人は閉店後のチマチョゴリ屋で一線を越えてしまう。

       

       

      ソン・ガンホ(神父)は成り行きで吸血鬼になっちゃったわけ

      なんですが元々はすごく真面目で自分に厳しい聖職者です。

      もちろんチェリーボーイですから、女性との関りも絶ってきてまして

      ソッチ系の欲が湧いてきたら己のチン○コリンを棒でたたきのめして

      鎮めるという方法でやってきました。

      そんな強い精神力を持った彼でも、血への渇望と目の前に現れた

      自分と似た境遇の美しい、しかも不幸な状態にある女性の誘惑には

      勝てなかったわけです。

      テジュ役の女優さんは珍しく整形くささのないとてもきれいな方

      なんですが、そういう人があえて身なりを構わずやさぐれているのは

      かえって色気があるもんですよね。

      お互いにひかれあってしまった二人は、チマチョゴリ屋の什器の陰とか

      ガンホがドリンクバーにしている寝たきり患者のベッドの隣とかで

      密かにセッソンするわけで、ここまではちょいエロのラブストーリーかなと

      思うのですが、どんどん変な方向へ進んでいきます。

       

      というのも、吸血鬼になると空を飛べたり怪力になったりできるもんで

      ガンホが痴話げんかの際にうっかりテジュを一回殺してしまうんですが

      すかさず自分の血を輸血して生き返らせるんですね。

      吸血鬼の血を輸血されたらそりゃあ吸血鬼になりますよね。

      というわけでテジュも吸血鬼になります。

      ガンホは血を吸いながらもそんな自分を責めているんですが

      テジュの方は全く葛藤がないんで、楽しんで人も殺すし

      エロさも磨きがかかってどんどん輝きはじめるんですよ。

      なんだか悪いから輸血用の血とか自殺した人の血とか飲んでるガンホに

      対し「お前そんなもの飲んで美味いの?だからダメなんだよ」みたいな

      こと言って、超吸血鬼を楽しみ始めるんですね。

       

      動物的な快楽主義者と、理性的な聖職者の二人の対比がおもしろかったです。

      でもやっぱり血を飲まないと(誰かを犠牲にしないと)自分たちが

      生きていけないというのは二人とも同じであって、この世界に存在できない

      二人、身寄りのない二人は最後は破滅しかないのですが。

       

      吸血鬼の恋愛ものっていくつもあって、どれもメロドラマになりがち

      ですが、シュールだったり怖かったり笑えたりといろんな要素が

      加わって非常にヘンテコな作品に仕上がっていました。

      時々こういうわけのわからない勢いを持った作品が出てくるのが

      韓国だよなぁと思いました。

       

       

       

       

       


      ヒメアノ〜ル

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        こんにちは、tamaxです。

         

        今日は古谷実原作の映画『ヒメアノ〜ル』について

        書きます。

        ジャニーズ史上最恐です。

         

        あらすじ

        フリーターとして清掃のアルバイトをしている岡田(濱田岳)は

        日々夢も楽しみもない生活を送ることに虚しさを感じていた。

        同じく無為に生きていそうなキモい先輩(ムロツヨシ)に興味本位で

        近づいたことから、彼がネチっこく想いを寄せているカフェの

        店員のユカと知り合いになる。

        そこで都合よくユカに一目ぼれをされた岡田は、先輩に隠してこっそりと

        付き合うことになり、はじめての人生の春にキャッキャウフフ。

        純情そうに見えて実はなかなかのタマだったユカちゃんに

        リードされながら甘い日々を送っていたのもつかの間、

        実はもう一人のユカのストーカー、森田(森田剛)が凶悪犯罪を

        重ねながら、二人に近づいていたのだった。

         

        この作品、映画化したのは『さんかく』の吉田恵輔監督です。

        私はこの『さんかく』という作品がとっても面白くてね。

        こちらに感想を書いています。

        その吉田監督ですからさぞかしやらかしてくれるだろうと

        思ったら期待通りでした。

        『さんかく』のときもそうでしたが、前半はぬるくてネチャネチャした

        BOYS BEみたいなラブコメで、観ていてかゆくなるような感じ

        なんですが後半で一気に加速し、前半はなんやったんやという

        ものすごい変貌を遂げます。

        高校時代に凄惨なイジメを受けてサイコキラーになってしまった

        森田こと森田剛が動き始めるんですね。

         

        森田は実は最初から登場していて、ユカが働くカフェに

        一日中いる変な奴として、ムロ先輩が怪しんでいます。

        ストーカーかどうか確認してこいと言われた岡田はそこで

        高校の同級生だということに気がつきます。

        「森田くんじゃない?なにしてんの?」と声をかけると

        向こうも「あ、岡田君」となって、岡田はムロ先輩の

        使命もあって二人で飲みにいくことに。

        このときはまだ、ちょっと変なやつだなくらいなんですが

        都合が悪くなるとさらっとウソついたりするところに

        森田のヤバさが見え隠れしています。

         

        森田の受けていたイジメというのが、犬のウンコを食べさせられたり

        教室の真ん中で自慰を強要されたりする昔ながらの悪質なもので、

        森田はイジメグループのリーダーを高校時代に殺して埋めています。

        卒業後は、いじめっ子殺害に加担させられた同じくいじめられていた

        和草という同級生を脅迫して生活費にしていました。

        和草とその彼女が森田に反撃したことから殺しの連鎖がはじまります。

        開けたら最後、ユーキャントストップ。

        行き当たりばったりのOL、カレーのにおいが美味しそうだったから

        侵入した家の家族、そこに訪れた警官、その他諸々。

        私も若い頃、2回「いあき」(家にいるときに部屋に誰かが入ってきたこと)を

        された経験があるので、もう今生きてるのが奇跡なくらいめちゃめちゃ怖いです。

         

         

        さらにこの映画のバイオレンス描写が怖くてしょうがなかったのは、殺す側も

        殺される側もかっこよくないんですよね。

        よくあるシリアルキラーものって犯人が芸術みたいにパンパン殺したり

        殺される方も一息にぱっと死んじゃったりしますけど、森田の場合は

        ディスカバリーチャンネルとかで見るサバンナの動物の捕食に

        似ていました。殺す方も息が切れたり必死だったりがむしゃらに殺す。

        殺される方も苦しんで、あがいて、なかなか死ねない。

        森田剛演じる森田というのはすごく貧相な男なのです。

        ヒョロヒョロだし汚い金髪で浅黒い肌、底辺を生きてきた感じ。

        私はジャニーズの中でも森田剛の持つ貧相さ、薄汚さが不思議だったのですが

        この映画の森田くんは本当に良かったです。

         

         

        そんなこんなで凶悪犯罪を「雑に」重ねながら、森田はユカ&岡田に接近してきます。

        その前に立ちはだかったのが、前半の方で出てきたムロツヨシ。

        ムロ先輩は命こそ助かりますが、大変な怪我を負ってしまいます。

        そこでようやく、ユカとチュパチュパパラダイスしていた岡田があることを思い出すのです。

        森田のいじめに、自分も関わってしまっていたという事実。

        実は高校に入ったばかりのころは、はじめてできた友達として仲が良かった森田と岡田。

        森田がいじめのターゲットにされてからは距離を置いて傍観していたばかりか

        自分がいじめられたくないばかりに、売るような真似もしていたことに。

        ムロ先輩の入院する病院を訪ねたあとに、涙ながらにそのことを話し始めた岡田。

        直接的ではないにせよ、自分も森田というモンスターを作り上げてしまっていたということ。

        そのことをすっかり忘れ、その後の人生を何も考えずに過ごしていたこと。

        そして今も、「変な奴だから」とムロ先輩を裏切っていた、自分の「そういうところ」。

         

         

        クライマックス、森田がついに岡田&ユカのところにたどり着き(そのたどり着き方も

        非常にリアルでぞくっとさせられました)、息も付かせぬままラストへと突き進みます。

        これまで散々エグいバイオレンスを見せられてきて、最後の対峙シーンにはもう

        精神力も限界まで来ていたのですが、そのすべてを洗い流すような「オチ」が待っていました。

        これにはもう、やられましたね。ちょっとした拷問です。

        そのオチは今までからは想像できないほど美しくて、だからこそとてもとても哀しいものでした。

        主演の森田剛くんも、この最後のためにジャニーズ史上最低の汚れ役を引き受けたんだそうです。

        映画はいろいろな意味で観る側を楽しませるエンターテインメントであったり、あるいは

        それとは正反対に重いテーマがあったりしますが、エンターテインメントと重いテーマが

        見事に融合していました。

        『さんかく』のダラダラした感じも好きでしたけど、吉田監督の芸がここに極まった感じ。

        そして何より、ジャニーズなのに、手コ○自慰やレイプ、頭の悪い言動などかっこ悪く演じきった

        森田剛に感服というよりほかなりません。

        演技派と言われているニノや岡田准一なんて甘い甘い。

        私は今日から一番好きなジャニタレは森田剛kunになりました。

         

         

         


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